「得点欄に満点が並んでいた!」

島村 克子 英検1級二次試験 2002年

 
言葉は人と人をつなぐ最高の道具です。国や文化の違う人々とコミュニケーションできる楽しさにはまって、本当に細く長く英語を勉強してきましたが、この辺で自分の積み上げてきたものを見える形にまとめてみたくなり英検1級にチャレンジしました。
 

プロの力を借りる

一次試験本番後の自己採点の結果を見て、二次試験の準備に入ることにし、テソーラスハウスでお世話になりました。スピーチテストの準備のために何をどうしていいのやら、私にとっては雲をつかむようなお話でした。これはその道のプロに力を借りるしかありません。それでも、たったひと月、6回のレッスンでどうやって仕上げをするのかと思いながら出かけました。   まず第1回目のレッスンでは、スピーチのストラクチャーをみっちり指導していただきました。これはまさにスピーチの設計図です。この指導のおかげで、組み立てるスピーチが具体的な形で見え、自分にもできるかもしれないという気持ちになりました。   とはいえ、骨組みができても問題は中身です。限られた時間しか残っていないわけですから、とにかくテソーラスハウスで用意していただいたトピックだけでもこなせるようにしておこうと思いました。出かけるときに教材をバックに入れておいて、電車に乗っている間も “example” を考えたりしていました。また、新聞・雑誌を読むときも、ただ情報を集めるためだけではなく、ついでにスピーチをひとつ作るつもりで記事の中のキーワードをストラクチャーに当てはめながら読むようにしました。
 

緊張の本番

7月14日の二次試験当日がやってきてしまいました。発音が聞き取りやすい声の大きな試験官に当りますようにとか、練習したトピックが入っていますようになどと、ほとんど神頼み状態でした。 しかし、本番を迎え配られたカードを見ると、このひと月蓄えたネタが使えそうにもないトピックばかりでした。そのせいでパニック寸前になりましたが、自分の体験で何とかなるかもしれない問題を選びました。そして、とにかく練習を重ねていた「ストラクチャーに沿って話を進めること」を実践したことによって、少し余裕ができました。この点は本当に訓練の成果です。内容に関しては準備していたものが使えないわけですから、後で考えると「あそこでこう言えばよかった」ということばかりでしたが。
 

繰り返しのトレーニングが大事

待つこと11日。結果通知を開けてびっくりしました。得点欄に満点が並んでいたのです。自分で納得できない出来にどうしてこんな評価が出たのか、狐につままれた状態ですが、考えてみれば、試験官は心から自分がそう信じ感じているという気持ちで話したところを評価してくれたのかもしれません。 試験官との相性やトピックの得意不得意など、二次試験は運次第の要素もあります。しかし、興味を持って情報を集めることと、約10分間の試験運びを繰り返しトレーニングすることでかなりの部分が解決できるように思います。   最後になりましたが、小林先生、ガブリエル先生、ありがとうございました。