「58歳にして、自分を見つめなおすことにつながりました」

K.T 英検1級二次試験 2019年

試験開始前

駅で、レッスンで一緒だった方をお見かけしたので(TOMIKOさん)、お声をかけました。一緒に受付をし、隣に座って待っていました。
集合時間が14時までに対して、13時40分頃受付をしました。やや早いほうで、面接は、6名ずつ呼ばれましたが、
私は3順目でした。

面接内容

面接官:日本人女性A、外国人女性B

日常会話:
A:あなたの仕事について教えてください。
私:工場の技術者です。
  神奈川県の西のはずれにあり、新幹線通勤をしています。
B:新幹線通勤は大変ですね。快適ですか。
私:逆方向なので、毎日座れるので快適です。

スピーチ

題:4つは、見たことがないようなもので、特にそのうちの一つは、判らない単語も入っていたため、「賛成か、反対か:政治家の定年制導入」を選択。

私:「政治家の定年制導入に反対です。
理由①:経験が失われる。事例は、私の会社でも、ベテラン技術者が辞めることで、彼らの経験が次の世代に伝えられず、困っている。ベテランの経験を伝えるのは難しく、政治の世界でも同じ。

理由②:人口が減っている。事例は、日本は全体に労働力不足。政治の世界でも人手不足。私の会社では、定年を60→65歳にしつつある。」

ベルが鳴る。

私:(慌てて)「結論として、定年制導入に反対です。」

なんとか、理由①、②は思いつきましたが、それぞれの事例が思い浮かばず、苦し紛れに、政治とは全く関係のない事例を出しました。

質疑

面接官A:「定年を導入しないと、若い人の進出の機会を奪ってしまうのではないか。」
私:「そうであるが、ベテランと、若い世代のバランスが重要。」
面接官B:「若ひ人にも優秀な人がいると思うが、この点については?」
私:「確かにそうだが、複雑な問題、特に、北朝鮮への対応は、理屈ではなく、経験が重要。従って、定年制導入のメリットが、デメリットを上回る。」
面接官A:「あなたの会社では、定年を60→65にしようとしている、と言っていたが、定年を廃止する会社もある。これについはどう考えるか?」
私:「その会社は、私の会社より進んでいる。定年の時期は会社ではなく、従業員が決めるべき。私の会社は、その会社を尊重すべきである。」

結果

スピーチ:7
INTERACTION:9
文法/語彙:7
発音:6
CSEスコア:624(合格点:602)
G1+1
ということで、ほぼ、ぎりぎりでした。

感想

・事例は、困ったら、自分のことを話しなさい、とう小林先生のご指導から、なんとか、政治とは関係ないですが、出しました。ないよりは、ぜんぜん良い、ということだったと思います。あのスピーチで7点、頂けたのは、幸運だったと思います。

・試験官2名とも、反応がほとんどなかったことで、とても話しにくかったです。表情もほとんど変化なく、相槌ちもなかったので、反応だけ考えると、だめかな、と思いました。

・テソーラスハウスのレッスンの1回目は、異常に緊張しましたが、その後、レッスンを重ねるごとに少しづつ慣れてきました。本番も緊張しましたが、レッスン1回目ほどではなかったです。レッスンでは、近い距離から6名の方に見られる、という条件でしたが、本番では2名から、やや離れた距離で見られる、という条件です。つまり、レッスンの条件は、本番より厳しい条件なので、いい練習になったと思います。

・小林先生、サイモン生、ジョン先生のアドバイス(姿勢、声の大きさ、事例を入れる、話す表情、時間を余らせないように、日常会話、質問でも、話を膨らませるように、など)はもちろん、練習スピーチの内容について、など、数多くのことが非常に勉強になりました。テソーラスハウスのレッスンを受けなかったら、合格できていないです。

・また、話し方、表情などのアドバイスは、この歳(58歳)にして、今更ですが、自分を見つめなおすことにつながりました。スピーチの練習のために、
 鏡を前にして練習しましたが、いつの間にか、自分がこのような貧相(顔の良し悪しではなく、表情が暗い)になっていることに気付かされました。
 自分の職業は、一応、技術畑なので、お客様との接点はほとんどありません。そのため、人に対する印象、接し方は、仕事上、求められないので、
いつのまにか、このようになってしまっていました。今回を機に、せめて、口角だけでも上げる習慣をつけて、表情をすこしでも改善しようと思いました。

・レッスンで、帰国子女の方の英語力、参加者の真摯な勉強の姿勢、など、私のような、技術の、井の中の蛙にとっては、他の世界に久しぶりに接することができて、とても良い刺激になりました。参加者の方と、もう少し、お話をする機会があると良かったと思いますが、皆さん、お忙しいので、できなくてしょうがないと思います。

・つまり、テソーラスハウスのレッスンでは、私にとって、英語のみならず、自分自身にとって、大変教わることができました。皆様に対しては、言葉では表せられない感謝を感じております。

・なお、私は、英検1級の勉強は、昨年5月から開始しました。過去問を一通りやってみると、自分が思ったのは、2次が最難関で、1次を通過しても、1年以内に2次に受かる気がしませんでした。そのため、まず、昨年7月に、一度、小林先生のカウンセリングと、二次対策体験コースを受け、その後、まず、自分で、スピーチ+英作文の勉強のみ、半年ぐらいやりました。その後、1次対策主体に移行しました。テソーラスハウスは、今回、2次直前コース、5回を受けました。本番の試験は、今回の6/7月が初めてでしたが、テソーラスハウスのご指導により、いずれも1回で合格できました。1級対策を、スピーチ+英作文から開始する、というのは、一つのやり方かもしれないと思いました。

当日実施した、緊張を和らげる対策

①小林先生の教わった、深呼吸。肩を広げるようにしながらやりました。

②一旦、暗記から離れ、まずは、自分が思ったことを話そう、と決心しました。そうすると気が少し楽になりました。

③入室したら、Helloのあとに、Nice to meet youと言う。これは、小林先生から、試験官に対しては、評価者というより、自分を判ってもらうコミュニケーションの機会だと考えなさい、と教わりました。これを勝手に自分で拡大解釈して、「英語クラブの、自分の新入部員としての挨拶だと考える。」ことにしました。ならば、Helloの後は、Nice to meet youになります。こう言うことで、自分の面接官への恐れをなくし、親しみを感じさせるために、あえてそうしよう、と決心しました。

40年前の知識では、初対面の方には、How do you do?であると教わりましたが。あえてそうしました。
実際に、自分で言ったところ、日本人女性の面接官が、 Nice to meet you.と返してくれました。どう感じたかは全くわかりませんが。外国人女性の面接官は、無言でした。

その他

①面接中、Thank youを言えませんでした。最初の椅子に座る場面、退席時は、面接官からの指示に対して、Thank youと答えなければいけなかったのですが、いずれも、Yes(はい)で答えてしまいました。最初の場面は、開始直後の緊張、最後の場面は、終わった、という安堵感から、自動的に、はい(=Yes)、と答えていました。このような、日本語なら、はい、と答えるときにThank youと言う場面は、なかなか、意識していないとできない、と後から思いました。

②面接官の反応については、記憶によると、当日面接官に渡す、マークシート(2枚)に、「面接官の態度は、評価には無関係です」と、記載されていたと思います。これは、昔から書いてあるのでしょうか。私の場合、この記載がせめてもの救いでした。

③当日、たまたまですが、レッスンで一緒だった方(TOMIKOさん)と並んで待合室に居られたことは心強かったです。TOMIKOさんも合格されている、と信じています。

以上、長文をお読み頂きまして、大変ありがとうございます。
また、お会いできる機会があることを楽しみにしております。