「英語学習と仕事と私」

A・S 2018年

小林先生、ご無沙汰しております。先日の国連英検特A級の2次試験(2017年第2回)対策では大変お世話になりました。現在、縁あってワシントンの国際機関で働きはじめておりますが、特A級に合格できたことは、ここで働く心の「お守り」となっております。

特A級の2次試験は今回で2回目の受験となります。仕事柄、英語を使っているので、話すことにはそれなりに自信があり、また、国連英検の対策本やネットに掲載されている合格体験談等を参考に独自に準備をしていたのですが、1回目の2次試験は不合格(5点)でしたので、再び、テソーラスハウスの門を再び叩かせていただきました。

参考になるかどうか分かりませんが、私の2次試験の体験談です。2次試験1週間前に3日、集中してマルセラ先生に直前対策をしていただきました。授業では、普段、自分では意識していない文法の間違い、過去形と現在形の混合、発音の悪い箇所といった文法的なアドバイスから、議論の際の発言の癖の矯正から自分では想定しない方向からの質問をされた際の上手な回答の仕方など、ディスカッションのテクニックまで教えていただきました。普段なんとなく通じてしまっている故、自分自身では気付けなかったスピーキングの弱点を指摘していただいたので、内心かなりショックでしたが、そのおかげで、本番では、質問者の意図を踏まえ、客観的に自分の発言を確認しつつ、落ち着いて回答できました。

思えば、1回目の2次試験では、自分の知識や理解を示したいあまり、一つの質問に対して冗長に回答したり、面接官の意図と若干外れた内容を話したりしていた気がします。そのため、面接官との応答のテンポが悪くなり、結果、面接官が受ける全体的な印象も悪くなってしまったと思います。今回は質問に簡潔に回答することを心掛けた結果、テンポ良く質疑が進み、良好な雰囲気で面接を終えることができました。このテンポの良さが結果的に良い評価に結びついたと思っております。

2次対策で重きを置いた点は1回目の試験結果における評価の低い項目の改善でしたので、テソーラスハウスでの授業は大変、効果的でした。また、同時に「きちんと話す」難しさも改めて痛感しました。スピーキングはスポーツに似たところがあると感じております。客観的に自分の良し悪しを認識することが難しいので、時間や金銭的に余裕があれば、専門家に客観的に自分の癖やレベルを評価してもらうことや、人前で「きちんと話す」訓練を受けることは語学学習には大切なことだと思いました。

私の場合、海外事情に触れることも多く、海外雑誌も定期的に読むようにしているので、それなりに議論ができると過信をしていたのですが、知っていることと、端的に説明できることは全く異なるもので、外国語であれば、尚更ということを身に沁みました。現在の職場は、毎日が2次試験のようなものなので、教えていただいたことがダイレクトに役に立っております一方、第一歩を踏み出したという感じでもあり、これから益々、精進してゆかなくてはならず、英語道の奥深さと険しさを体感しております。

小林先生とテソーラスハウスには英検1級の2次試験でもお世話になりました。いまだに人前で話すときの緊張感はなくならず、初めての人と話すときは億劫になります。そんな時には、英検1級の2次対策クラスで必死に話そうとしていた自分を思い出すようにしています。発音が変なのではないか、恰好悪いと思われているのではないかといった羞恥心や恐怖心を乗り越え、一言話す勇気が、海外留学、海外事業に係わる転職そして、現在につながっているような気がします。私の人生の転機にはテソーラスハウスの助けがあり、本当に足を向けて寝られません(娘もお世話になりました)。末筆ながら、改めて感謝申し上げますとともに、私の体験が少しでも参考になれば、幸いです。