「安心できることと自信が持てること、それがテソーラスに通う価値」

西岡努 2017年

どうしてもいてもたってもいられなくなる。
英検合格発表日なのだ。
英検ネットにアクセス、
アクセスが集中していたからか
何度かトライしないと結果が見れずあせる。

何度目かのトライで無事アクセス。
英検一級に合格していることを確認。

安心。

受かってるだろうと自分で自分を応援はしていた。
しかしやはり嬉しかったというか、ほっとしたというか。

すぐ応援してくれた小林先生に報告。
小林先生からは
英検一級を受け続けること、
国連英検を受けることなど
さらに上の目標を教えて頂いた。

合格後も英検一級を受け続ける人は向学心のすごくある人たちだと思う。
英検一級は読解も面接もおもしろい。
合格後も英語力の管理維持のため受け続けるのは有益だと思う。

さらに上の国連英検を目指す気持ちもよくわかる。
英検一級は終わりではなく始まりに過ぎない。そう思う。

・ 英語の試験を受けようと思ったきっかけ

さかのぼれば真剣に英語の勉強を始めたのは20歳の時からだった。
語学は若いうちに打ち込んだ方が良いと大学の先生に言われた。
気がつけばあっというまに10年たって30歳になっていた。

30歳になってふと振り返ってみて、
何か記念に残したいような気分になり、
英検一級を受けることにした。
試したかった。

・ 英語の勉強の魅力

はじめて海外に行ったのは小学生の時。
時代はバブル。
香港、韓国、ロサンゼルスなどなど連れてってもらったりした。
行くたびに片言英語で外国人と話す父はすごいなと思ったりしていた。
そもそも自分にとって英語の魅力はここだった。
海外の人と話すこと。
自分の属性、出身地や学校や職業などとは関係なく利害関係もなく
ただ人が人としてコミュニケーションできることに憧れを感じ

・ なぜ英検だったか

なぜ英検だったか。
ビジネスマンならTOEICもある。

私が英検を選んだのは英検はバランスよく問題が出る試験だったからだ。

まず、英語力とはそもそも何か。
それは英米の最低限の知性と教養をバランスよく身につけていることだ。
知性・教養をバランスよく身につけていると言うことは
どんな話題でもそれなりについていけるということだ。

知性や教養をバランス良く身に着けるためにはバランス良く勉強するしかない。
どうしたら良いか。
答えは英検だった。
TOEICはアメリカのビジネス英語に傾きすぎていたように思えた。

・ そしてテソーラスへ

終わったことは終わったこと、
さて、気分を入れ替えて二次試験対策をしなくては、と思い
『最短合格!英検1級総合対策』を再び開いたが
面接には全く対応していない本であったことが判明した。

模範回答が完ぺきに書かれているだけで
こんな完ぺきな回答がアドリブでできるわけがない。
たどたどしくもなんとか2分間しゃべってQ&Aを切り抜けるコツを知りたいのに
完ぺきな答案を見せられても全く意味ないのである。

一次作文で18点しか取れなかったことを後悔していたので
面接はちゃんとしたプロに見てもらわないと落ちるかもしれないと考え
色々な塾をネットで検索して探した。

しかし英検一級の2次面接対策をしている専門の塾はあまり見つからない。
いくつかの塾に電話してみたがちょっとピンとこない。

やはり専門の塾に頼ろうと思ってテソーラスに相談した。
テソーラスの塾長が校長日誌をネットで公開していて読んでみたら
正直な感じがしてとても共感できたのでテソーラスにした。

・ テソーラスの授業の感想

あっというまである。
が、時間は濃い。
すごく疲れる。

採点項目は細かく分けられていてどこが弱いかしっかり分かる。

レッスンで私は笑顔がないことと姿勢が悪いことを二回とも指摘された。
お題を間違えて見当違いな回答をしてしまったことが一回、
スピーチが短すぎたのが一回。
Q&Aはなかなか良いと二回ともほめられた。
職場で外国人と商談をするのでQ&Aは知らず知らずのうちに能力が上がっていたのだと思う。

笑顔がないのと姿勢が悪いのは日本語でもそうなので
これはしかたないが英検の先生にあらためてそう言われると
職場でも姿勢が悪かったのかと思い反省した。
笑顔は自信があるような印象につながる。
姿勢は熱意があるような印象につながる。

お題を間違えないことと
スピーチは長くすること、
これも良いアドバイスだなと思って胸に刻んだ。

特にスピーチを長くするのを意識するために
テソーラスで2分測ってスピーチしてみて
しゃべっていてどれくらいが2分なのかが
体で分かるようになってきたのは収穫だった。

お題を間違えないようにするには
自分が詳しい分野の質問を選ぶことが必要だ。
詳しくない分野の質問を選ぶと見当違いな回答をしてしまう。

スピーチを長くするには
2分のスピーチではあるが
20分でも30分でも話す余裕があるんだゾ、という気持ちでいけという
先生のアドバイスがとても印象的だった。
短いよりは長めで2分でフィニッシュできない方がずっと良いのだそうだ。
Q&Aセクションで自説をフィニッシュすれば良いわけであるし。
一理あると思った。

受講生は社会人1、大学生2、高校生1、という感じだった。
大学生のうち一人と高校生は帰国子女のようで発音の仕込みがぜんぜん私と違うのにあせった。

しかし今思えばまったくあせる必要なんてなかった。
面接は社会人の方が学生より有利なのである。
社会人はそれこそ毎日クライアントや上司と面接しているわけだ。

出張行ってはじめて受注した時の感動の話でも、
パワハラ上司にをどう乗り越えたかの苦労の話でも、何でも良い。
世界中の誰よりも自分の言葉で自分の気持ちが語れるようになること、
これが英検の面接で求められるコミュニケーション力だ。

英検の面接官が決して反論できない分野、
それはあなたの気持ちだ。
あなたがどのように感じたかについて面接官は決して反論できないのだ。

・ 二次試験を受けてみての感想

非常に暑い中、四ツ谷まで行った。
語学学校で受けることになり
たくさんの受験生でごった返していた。

見覚えのある人がいるなと思ったら
テソーラスで会った社会人の方だった。
かるく会釈した。
知っている人に会ってすこし安心した。
これもテソーラスに通うメリットだ。

私の前は制服を着た学生だった。
部屋に入っていくときの
“Good morning”
の発音が良かったのでやはり帰国子女だったのだろう。
そういえば高校の時に英検一級に受かった同級生がいたけど
彼も帰国子女だったな、と思いだしたりした。

そうこうしているうちに私の番。
部屋の中には米国人と日本人、40代~50代と思われる試験官と
30代と思われるタイムキーパーがいた。

“How do you do”
“Good morning, have a seat”
“Thanks”
というような感じで始まりアイスブレーク。

週末は何をしているのかを聞かれたので
英検を受けていますと答えたら
毎週英検を受けているのか?
と驚かれた。
いやいや、今週は英検ですが
いつもはガーデニングや料理をしてますよ、
と返した。

アウトドアはしないのか、と聞かれたので
昨日はサーフィンに行きました、と答えた。本当のことだったので。
試験官にはそれで日焼けしてるんですネ、なかなかアクティブですね、
と良い印象を与えることに成功したことを確認。

ここで試験開始。
紙をめくって1分でスピーチ考えて、2分話してほしいと言われた。

紙をめくると
いくつか質問があった。
1つめの質問、意味不明。
2つめの質問、やはり意味不明。
3つめの質問、「環境破壊せずに経済発展は可能か?」というような内容だった。
職場で炭鉱経営に参画しているのでこれはもらったと思い、このお題にした。
中国・インドの経済成長に伴ってシェールガス、LNG、石炭、石油などの化石燃料の使用が増え続けていることを知っていたし、
エネルギー権益への投資の額と再生可能エネルギーへの投資の額が全然違うことを知っていた。

答えは「不可能、なぜならひとつは化石燃料への投資は加速しており、もうひとつは新エネルギーへの投資はまだまだ比較的小さいので。」
を答えた後にそれぞれの理由を1分ずつふくらませてしゃべった。
テソーラスで2分がどれくらいか分かっていたのでこういうことが可能になる。
実際タイムキーパーが2分を告げる時にあと一言でスピーチ終了、というところまで持っていけていたので
2分の合図のあとに最後の一言を言ってスピーチを閉じた。

質問は
「バイオエタノールのせいでトウモロコシの値段が上がってるんだよ。」
という質問かコメントかわからない発言ではじまった。
最近の米国の農家は銀行から融資を受けて農場に穀物倉庫を持っていて
値段が良い時に売ることにしていることを私は知っていた。
たまたまその記事を新聞で読んでいたのだ。
その記事によると以前は農家は収穫したらすぐに売っていたのだそうだ。
そのことをさも自分の知識かのように話した。

そのあとの質問は
「どうして化石燃料への投資が加速するのか」
「新エネルギーへの投資を加速するのは国連が何かできないか」
「後進国に何かできないか」
であった。

最初の質問には
「石油会社にせよ鉱山会社にせよ民間事業会社は長くて3年から5年後しか見てない。
役員は自分が経営している間に良いパフォーマンスをすることだけしか考えていない。
多くのボードメンバーはイージー&リアリスティックなことをするだろう。
中国が経済成長をするためにエネルギーは欠かせないのだと説明した。」
と答えた。

二つ目の質問には
「UNはもちろん貢献できる。
南欧は風力、日本は稲わらを利用するバイオエネルギー、米国はシェールガス、それぞれが強みとメリットを持つ。
各国のメリットと強みを組み合わせて決意と勇気があればエネルギーソースは変えられる。分散化できる。」
と答えた。

三つ目の質問でタイムアウト。
実は三つ目の質問は意味不明だった。
何を聞かれているのか分からず
“Can you rephrase your question? So you want to say, for instance, …”
と確認している時にタイムアウトだった。
本音を言えばタイムアウトに救われた。

最後に
「荷物を持って退室して下さい。ガーデニングを楽しんで。」
と言われた。

・ 感謝

テソーラスに感謝しています。
これからは英検一級ホルダーとして、
テソーラス出身者として、
英語を勉強されている方のロールモデルになれるよう
知性と教養を磨いていきたいです。

勉強して疲れた時は
テソーラスの合格体験記と校長日誌を読み込みました。
疲れた時に非常に励まされました。
歴代の卒業生の向学心、そして校長の志の高さ、頭が下がる思いでした。
遠くから通って合格した生徒の話は特に感動しました。

受験生の皆さんにはぜひあきらめないでほしいです。
がんばっているのに全然単語が覚えられないこともあるし
英文を読んでても意味不明で問題にまともに答えられないこともあると思います。
自分は頭が悪いんじゃないかとか
自分は向いてないんじゃないかとか
マイナス思考になりそうな時もあると思います。
でもそうやって苦しんでもあきらめずに合格を目指すその姿は
まわりにとってもなによりの励ましになっているはずです。
また、あきらめたら今までのがんばりは無駄になります。
あきらめなければうまくいかなくても失敗は
全て裏返せば自分だけの成功の秘密になっていきます。
それは自分だけの財産になるということです。
最後に、あきらめるのは明日でも明後日でもいつでもできることです。
でもあきらめないということは今しかできないことです。
今しかできないことをがんばると良い、と巷でよく言いますが
とりあえず今はがんばってみてはどうでしょうか。
そうやって毎日続けていけば必ず目指す山頂に到達することが出来ると思います。