「面接試験は、事前準備で大半が決まる」

吉田賢治 国連英検特A級 2021年

はじめに

この度、2020年第2回試験で国連英検特A級に合格することができました。合格に至るまでの道のりが長かった分、格別の喜びを噛みしめており、諦めずに努力してきて本当に良かったと感じています。面接試験対策では、テソーラスハウスのプライベートレッスンに大変お世話になり、心から感謝しています。

これから国連英検を受験される方のご参考になればと願いつつ、以下のとおり合格体験記を記載させていただきます。

今回2回目の挑戦で面接試験に合格することができましたが、面接試験終了直後には、必ずしも満足できる受け答えができなかったため、不合格だろうという確信があり、合格通知を見た時は信じられない思いでした。いわゆる試験運があったのかもしれません。

面接対策

面接試験対策は、事前準備で大半が決まると思われます。国連の諸活動はもとより世界情勢について幅広い分野から質問されるため、どれだけ想定問答を自分でつくることができるか、また、どれだけ口頭訓練を繰り返して自分の意見を述べることができるようにしておくか、という点にかかっていると思います。そして、口頭訓練では、自分の弱点を認識して矯正することも必要です。

実践的な口頭訓練として、A級面接試験の際にもお世話になったJohnさんのプライベートレッスンを受講しました。Johnさんは、英検1級や国連英検の面接試験対策で豊富な経験と国際情勢に関する幅広い見識を持ち、また、フレンドリー雰囲気を醸しだしつつも的確に弱点を指摘しアドバイスしてくれるため、信頼して今回も依頼しました。

レッスン内容は、毎回、メールで送信されてくる最新の時事英語について、2分程度のプレゼンを行い、続いてQ&Aを行うというものです。英語でプレゼンすることはなかなか難しく、毎回、手に汗をかきながら行いましたが、自分では気づきにくい発話時の弱点を明確に認識できて大変助かりました。

また、Johnさんからは、Foreign Affairs, Project Syndicate, Foreign Policyなどのニュースソースを教えてもらい(後者の2つは登録するだけで無料の購読メールあり)、これらを読むことで、国連の活動とは直接関係がなくとも、世界情勢を知る上で有益な手がかりとなりました。

試験本番

さて、今回の面接で質問された項目は、次の3点です。
① SDGsの17の目標について、何を喫緊の課題と考えるか
② 国連の軍縮の取り組みの中で、Nuclear Non-Proliferation Treatyについてどう考えるか
③ ジェンダー平等について、日本政府の取り組みをどう考えるか

上記①については、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う飢餓の深刻化と言う観点から発言し、②については、Johnさんのレッスンで取り上げられていたこともあり、落ち着いて発言できました。しかし、③については、全くの想定外であったため、急ごしらえでコメントする結果となり、大変焦りました。想定問答を作成する際には、SDGsに関する全て課題について、現状と課題を整理しておくべきだったと反省しました。

1回目の面接試験では、自然体で臨もうとしたものの、特A級の面接試験を受けることができる喜びから、むしろ緊張してしまったため、2回目の時は、Johnさんから自信を持って話すように励まされていたこともあり、緊張することを恐れずに試験に臨んだところ、平常心で対応することができました。

結果通知では、総合評価「8」で、前回の「7」から1ポイントのアップとなり、合格しました。評価項目は、Comprehension、Speaking、Communication、そしてKnowledgeの4つに大別され(Speakingは更に4つの項目に細分化されます)、これらの総合得点で合否が決定されます。SpeakingのFluency、そしてCommunicationが共に前回と変わらずの評価「7」であったため、実力不足を痛感しました。

今回の評価結果は必ずしも満足できる内容ではなかったため、今後も折を見て、特A級を受験し実力を試すつもりです。