全国通訳案内士試験 合格体験記
2026年 全国通訳案内士試験合格 岡田篤
(小学校英語科主任・全国通訳案内士・留学カウンセラー)
はじめに
全国通訳案内士試験合格体験記の執筆依頼を、
テソーラスハウス小林先生からいただきました。
英検1級、全国通訳案内士試験を目指す方、
英語力全体をアップさせたい方に、私の経験がお役に立てば幸いです。
AIによる説明の引用
全国通訳案内士は、日本の語学系資格の中で唯一の国家資格であり、
その難易度は最難関レベルに位置づけられています。
難易度ランク: 語学系資格ではトップ。英語の場合、英検1級と同等、あるいはそれ以上の難易度とされています。
合格率: 総合合格率は例年10%〜15%前後で推移しており、国家資格全体の中でも難関の部類に入ります。
最新(2025年度)の結果: 全体合格率は14.7%(3,987人中585人が合格)でした。
1.受験までの経緯と動機
私はこれまで英検1級に3回合格し、2024年8月、英検協会から奨励賞をいただくことができた。
ここで一旦、英検には区切りをつけ、その後は全国通訳案内士試験を目指すことになる。
私の場合、国際交流、留学といった業務にも携わり、他国の方とコミュニケーションをとる場面も多くある。
こうした方々の多くは、日本の歴史や文化に興味を持っており、関連する会話が発生する。
しかし、私自身の日本知識の不足、及びそれらの英語説明力が稚拙なことを認識することとなった。
もっと互いの国を知り合い、さらに良好な関係を築くために、
英検後の自分の学習テーマに気づかされることとなった。
そして、全国通訳案内士試験への挑戦へとつながった。
2.私の考える難易度
① 実力者による試験
先のAIによる説明の合格率15%という数字は、100人の中で上位15人に残らなければならないことを意味する。
85人が脱落するこのシビアな競争を勝ち抜くためには、圧倒的な練習量で自分を追い込むしかない、と思った。
一次試験は予備的関門、2次試験が本丸と言われている。
2次試験に限って合格率を言えば、50%程度であり、英検1級の2次試験と同程度である。
しかし、その数値の意味をもう少し考えた。
全国通訳案内士試験の2次試験は、すでに英検1級に合格されている方も多い。
英検1級保持者、TOEIC900点以上の方(TOEICは期限あり)は、
1次の英語筆記試験が免除されるため、この免除制度利用者も一定数いる。
また免除が受けられず英語の筆記試験を受験する人もいるが、その試験も英検1級同等レベルである。
やや雑な言い方にはなるが、2次試験では、英検1級合格者の中から、
さらに上位半分の人に絞り込む、という見方もできる。
ここに難関理由の1つがあると私は考えている。
日本の中でも上位一定レベル以上の人が凌ぎをけずる試験となる。
それは予備校で2次試験練習などに参加しても、他の方のレベルの高さを知ることになった。
② コンテンツの難しさ
こうした実力者でさえ、日本文化や歴史を英語で説明する、あるいはそれらを通訳するのは簡単ではない。
日本事象に関する知識を増やし、かつ関連する単語も新たに覚えなければならない。
ほんの一例として次が挙げられる。相撲の歴史や神道との関係、陶磁器の歴史、
漆器の技法、東北三大祭りの特徴、歌舞伎、能楽、アニメ、漫画などなどがある。
つまり出題範囲は無限といえる。
これらに関連する独特の単語、表現など、英検のそれらとはかなりの違いがある。
そして、こうした分野を押さえたことを前提に、プレゼンテーション(Q&A含む)、通訳、シュチュエーション(ツアー中のトラブルシューティング)という3つのパートが10分程度の面接の中にあり、それぞれに対策が必要である。
英検1級面接試験のプレゼン1本とQ&Aというシンプルな構成とは違い、多角的な対策が求められる。
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3.対策
・プレゼンテーション
前述した例のようにたくさんの日本事象をインプットしておき、かつそれを英語で説明できるようにしておく。
さらには、その内容を海外ゲストが楽しいと感じてもらえるようにホスピタリティやユーモアを持って説明することが求められる。
自分1人での練習は必要だが、本を読んでの独学だけでは難しい。
自分のスピーチがどのように相手に届き、心に響くのかを捉える必要がある。
それだけに、練習相手になってくれる方を探すのも大変重要だと考えた。
そこで、テソーラスハウスで、John 講師と練習を繰り返すことにした。
John 講師は日本文化にも詳しい。
そして、レッスンでは初めて日本にきたゲスト役になってくれる。
私の説明で楽しんでくれたか、インフォーマティブであったかを指摘してくれる。
笑いを取ろうと思ったところでも笑ってくれない、ユーモアも響いたものにならない。
営業サービスで笑ってくれることはしてくれない、という必要な厳しさがあるレッスンである。
だからあえて受講したわけでもある。
一方で、文化的意義のあることをしっかり伝えて、知的に楽しんでくれた内容にはしっかり頷き、
明るい表情で対応してくださる。
つまり、外国人観光客が本当に知りたいこと、ガイドが本当に伝えるべきものとその方法が正しかった時、
最大限の評価をしてくださる。
そして、プレゼンに対しても一定の知識があるからこそできる質問を投げてもらい、
適切に答えるためにとても質の高い練習ができた。
これらの練習は、ネイティブなら誰でもできる練習内容ではないと私は強く感じている。
・シュチュエーション
試験官がゲスト役になり、ツアー中に発生した問題対応を、
ガイドと話し合って解決へと持っていくプロセスをシュミレーションするパートである。
どうコミニュケーションを取り、ゲストを納得させていくか、安心させるか、
そのホスピタリティが大切。とても対策本だけでは学べない。
現場の空気感とその読みが必要である。
ここもJohn講師にゲスト役になってもらい、時に、簡単には納得しないゲスト役を演じてもらったり、
上手な代案の提示の仕方を教えてもらうことになる。
本当にJohn講師がそのまま通訳案内士になればいい、と思うぐらいである。
・通訳パート
日本人試験官が例えば以下の日本語を読み上げる。
その際メモを取る。
読み上げられた直後に1分程度で英語に訳す、というものである。(2024年度某予備校発表の過去問より)
「春や秋の結婚シーズンになると、大きな神社では神前式が行われます。ここでは、伝統的な装束に身を包んだ新郎新婦が、神道の衣装を纏った神主や巫女に導かれて拝殿に向かいます。この花嫁行列を、参拝者がカメラやスマホで撮影する光景がよく見られます。特に外国人観光客は、日本の伝統的な結婚式の美しさに魅了されるようです。」
日本語特有のニュアンスを理解し、それを正確に訳せているかを判断してもらうには、
日本人講師・予備校の指導が不可欠であった。
私は録音教材でのセルフ特訓に加え、予備校やオンライン英会話の優れた日本人講師の指導を仰ぐことで、
通訳の方法が少しずつわかってきた。
ここでの最大の壁は、「聴く・書く(メモをとる)・訳す・話す」という多重処理を短時間で完結しなければならない点にある。
単語力や構文力はもちろん、プロとしての「即応力」が試されるパートだと感じた。
通訳案内士である以上、これができなければ仕事にはならない。
単語力、英文構成力、会話力などが短時間で評価されてしまう。
4.試験を終えて
プレゼン200本、通訳300本、シチュエーション100本の自主トレに加え、
予備校での講座、テソーラスハウス、オンライン英会話(日本人講師)のご指導のもと、4ヶ月練習を行った。
これらの学習を完遂すると(実際は8割程度の達成率だろうが)、自分のレベルアップは実感できる。
日本を英語で(ある程度)語れる自信がつく。
通訳もスムーズにできるようになっていく場面が増えてくる。
この期間、自分を追い込んで取り組んだ実感はある。
英検1級合格を目指す時も似たような苦戦も経験した。
そして、今にして思えば、英検が全国通訳案内士試験への土台になった。
つまり英検1級は、英語の世界を広げてくれるプラットフォームだと考えている。
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5.この試験を他の方に勧めるか
国際的交流(ビジネス、留学など)で「日本を語る」機会がある方には、この試験はおすすめできる。
日本で唯一の英語関係の国家資格という価値だけでなく、
ガイドや通訳業務という仕事に直結する可能性を持った資格であり、
英語を使った仕事を目指す方には意義があると考えている。
私は年数回、海外での業務があるが、これからは自信を持って「素晴らしき日本」を伝えたいと思う。
また海外からの日本へのゲストにも「美しき日本を感じる」お手伝いをするつもりである。

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