「英作文と二次面接対策が勝因」


佐々木光 2025年 国連英検特A級合格 

はじめに

この度、国内最難関資格の一つとされる国連英検特A級に合格することができました。
(一次試験は2回目の受験、二次試験は初回での合格です)

私自身、かつてこの試験に強い憧れを抱き、また数多くの合格体験記から刺激と示唆を得てきました。
本稿が、英検1級取得後に次の目標を探している方、あるいはすでに国連英検特A級の学習を始めている方にとって、
少しでも具体的な指針となれば幸いです。

合否を分けるのは「ストラテジー」

まず強調したいのは、勉強量以前に明確なストラテジーを立てることの重要性です。

テソーラスハウスや国連英検公式HPには、多くの合格体験記が掲載されています。
これらを読み込む中で、私なりに共通点を整理すると、次の2点に集約されると感じました。

1.一次試験(100点満点)のうち20点を占める英作文で、いかに高得点を確保できるか
2.帰国子女であっても、二次面接は最大の難関であること

①②はいずれも、「国際情勢および国連の活動を踏まえつつ、論理的に自分の意見を発信する力」
が問われている点で共通しています。

裏を返せば、ライティング対策はそのままスピーキング対策にも直結するということです。

実際、10年前に私が初めて一次試験を受験した際、英作文は8点にとどまり、全体では3点差で不合格となりました。
仮に一次試験を通過していたとしても、当時の準備状況では二次試験で確実に不合格だったと思います。

「国連英検」である以上、国連について十分に理解しないまま合格を目指すのは、あまりにも甘いマインドセットでした。
この試験は、その現実を強く突きつけてくる試験だと痛感しました。

私が立てた学習方針

以上を踏まえ、私は次の方針で学習を進めました。

1.『国連の活動と世界』および UN News の精読
 まずは各国連機関が「何をしている組織なのか」を大枠で頭の中にマッピングし、
 そのうえで具体例や最新事例を肉付けしていくことを意識しました。

2.英作文の過去問演習
 単に英語を書くのではなく、「国連の視点+自分自身の評価」を必ず盛り込むことを徹底しました。

3.一次試験終了直後から二次面接対策を開始
 合格発表を待っていては、本番まで2〜3週間しか残りません。
 「受かる前提」で、一次試験翌日から面接対策を始めるべきだと判断しました。
 具体的には、
 ・英作文添削10本をテソーラスハウスに依頼
 ・一次試験後、毎週金曜日にジョン講師のプライベートレッスンを受講
 という形で学習を進めました。

このほか、The Economist の精読(関心のある記事に限定)、特A級の過去問演習(約10年分)にも取り組みました。

語彙対策については、英検1級レベルを完全に固めたうえで、
エコノミストと過去問から文脈ごと吸収する方法が、最も効率的だと感じました。

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テソーラスハウスの価値

英作文対策について、「ChatGPTで十分ではないか」と思われる方もいるかもしれません。
文法や表現のチェックという点では、確かに非常に有効であり、私自身も日常学習では欠かせない存在となっています。

しかし、多数の合格実績を持つ講師に見てもらうことで初めて得られる
「具体例の厚み」や「得点の相場感」に裏打ちされた安心感は、代替のきかないものです。

私はジョン講師に、あえて unofficial で構わないので採点してほしいと依頼しましたが、
本番でもほぼ同水準の点数が出ました。
これにより自分の中で評価軸が明確になり、一次試験受験時点で「7割以上は確保できている」という見通しが立ちました。
その結果、胸を張って二次試験対策にスムーズに移行することができました。

正直なところ、ChatGPTによる採点は、実際の試験水準と比べるとやや甘めであると感じました。

また、プライベートレッスンは本番を想定し、原則として対面、かつ毎週同じ時間帯で受講しました。
単語一つひとつの発音まで細かく指摘していただける点は、非常に貴重でした。

二次面接は基本的に面接シートに沿って進行します(例外的な面接官もいるようですが)。
その記入方法一つ――例えば、関心分野を単なる climate change で終わらせず、
climate injustice と具体化して面接官の関心を引く――に至るまで、極めて実践的な指導を受けることができました。

さらに、50分間英語で国際情勢について議論できれば、本番の15分はむしろ短く感じます。
ジョン講師の質問は鋭く、論理に少しでも穴があれば即座に指摘されます。
この高負荷のやり取りこそが、最大のトレーニングとなりました。

二次面接対策で決定的だった視点

最終的にジョン講師から言われたのが、次の言葉でした。

「あなたの国連知識や国際情勢の理解は十分です。それで落ちることはありません。
合否を分けるのは、事実と評価をどう使い分け、どれほど自分自身の意見を組み込めるかです。」

事実は、面接官も当然把握しています。
知識項目がある以上、要所で事実を示すことは必要ですが、それ以上に重要なのは、その先です。

この指摘を踏まえ、私は事実だけの説明に終始しないよう、
from my perspective や in my opinion といった形で、自分の立場を必ず添えることを意識しました。
表現自体は何でも構いませんが、オリジナリティを出すことが重要だと思います。

「自分の意見を言う」と聞くと尻込みしがちですが、恐れる必要はありません。
The Economist などで整理された各事案のプロ・コンを踏まえ、論理的な立場を取ればよいだけです。
その意味で、合格者が口を揃えて勧める The Economist や Foreign Affairs の精読が重要なのだと思います。

二次試験当日の様子

当日は、ビジネスパーソンとして節度ある身だしなみを意識し、スーツで臨みました。
会場は高田馬場の語学スクールです。
1番目の面接を狙い、かなり早めに到着した結果、最初のグループで呼ばれました。

面接官は、アメリカ人女性1名と、日本人でシンガポールの元大使の方でした。

主な質問

•   現在の仕事について
•   日本の防衛費増額をどう考えるか
•   尊敬する人物として挙げた ICC の赤根智子氏について
•   主権原則を覆す国が現れる中で、ICC の役割は何か
•   安全保障以外で関心のある分野は何か(climate injustice と回答)
•   大国・途上国それぞれの責任と日本の貢献
•   英国留学について
•   国際的に著名な大学で国際関係学を学んで得た最大の学び
•   台湾への関心理由
•   最後に言いたいこと

最後の質問では、国連の機能不全に言及したうえで、それらの限界は制度設計上ある程度織り込み済みであること、
批判すること自体は容易であることを指摘しました。

そのうえで、偽情報が蔓延する現代において、OCHA などが現場で事実を提供する意義、
WFP や UNDP による人道支援の重要性は強調しすぎることはないと述べました。

そして、政策を考える立場として、フロントラインで従事する人々の視点こそが何より重要である、
という考えで締めくくりました。

当日意識したのは、

•   面接官2名と交互にアイコンタクトを取ること
•   はっきりとした声と自信
•   事実と評価のバランス

という、英検1級対策時にテソーラスハウスで教わった基本と、
今回学んだ「事実と評価の使い分け」を徹底することでした。

なお、想定問は作成したほうが良いと思います。
私はジョン講師から指摘のあった問いを優先し、最新時事も踏まえた結果、77問を用意しました。

ただし、丸暗記は不要です。
キーワードと事例を頭に入れ、本番では自分の言葉で、落ち着いて話すことをおすすめします。
可能であれば、SDGsに紐づけて論じることで、知識面も自然にアピールできると思います。

結果として、初回の二次試験で総合評価9点をいただくことができました。
ただし、発音と語彙の項目は7点、8点であり、今後も改善の余地があると感じています。

おわりに

英語資格試験で伸び悩んでいる方がいるとすれば、鍵は comfort zone から抜け出すことだと思います。
人前で話すのが苦手だからと一人で練習を続けても、結果はなかなか変わりません。
その意味で、実践の場を提供してくれるテソーラスハウスの存在は、非常に貴重だと感じました。

国連英検特A級レベルになると、勉強量に終わりが見えず、周囲の受験者のレベルも高いため、不安が常につきまといます。しかし、その不安は健全なものであり、自身の到達レベルが高まったからこそ生じるものだと思います。
実際、私自身も英作文で the を書き忘れていないかといった、かなり基礎的な点にまで不安を覚えるようになっていました。

ただ、そうした段階にいる時点で、受験者全体の中では相対的にかなり上位に位置しているはずです。
毎日面接練習をする、英作文を書くといった地道で負荷の高い取り組みだけが、不安を少しずつ自信へと変えてくれます。
不安とうまく付き合いながら、前に進んでいくことが何より大切だと考えています。

また、面接は相手があって初めて成立する以上、相性の要素も否定できません。
小林先生がおっしゃるとおり、英検1級や国連英検特A級に一次試験免除制度が設けられているのも、
そうした事情を踏まえてのことだと感じます。

相性という点で印象に残っているのが、私自身の英国留学(修士課程)での経験について話した場面です。
学科に日本人が私一人しかおらず、数十人のクラスメートの前で毎回指名され、「日本ではどう考えられているのか」と
問われ続ける状況は、正直に言って challenging であると同時に、awkward でもありました。

その率直な感覚をそのまま伝えたところ、アメリカ人の女性面接官が「それは本当によく分かる」と強く共感してくださり、思わず笑い合う場面がありました。
そこから面接の雰囲気が和らいだことを、今でもよく覚えています。
普段の学習では見過ごしがちな、こうした何気ない anecdote が、結果的に自分自身を助けてくれることもあるのだと感じました。

最後に、受験やレッスンを快く支えてくれ、毎日美味しいお弁当を作ってくれる妻と愛する子どもたち、合格を自分以上に喜んでくれた両親と姉、議論に付き合ってくれた職場や大学時代の上司・同僚・友人、社内留学を実現させてくれ、推薦状を書いてくださった上司、テソーラスハウス小林塾長、ジョン講師、迅速にスケジュール調整をしてくださったスタッフの皆さまに、心より感謝申し上げます。

誰一人欠けても、この合格はありませんでした。
いつも本当にありがとうございます。

この筆を置いた後も、英語学習という、終わりのない、そして非常に知的で挑戦的な営みに、
引き続き真摯に向き合っていきたいと思います。

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