【英検1級二次試験】印象的なスピーチの作り方

心に残るスピーチはいろいろあります。
印象的なスピーチをつくるために、事例、anecdoteを欠かせないことは皆さまご存じのとおりです。
一方で、英検1級面接試験のような堅苦しい場面でパーソナルな話はそぐわないと思い込んでいる人が意外に多くいらっしゃいます。しかしそれは誤解です。

 

試験官は、個人的体験談やその人だけが知りうる情報をこの上なく楽しんで聞いてくれるのです。
個性的なスピーチを作るには、身の回りの事例を取り入れること。
例えば、次のようなストーリーはいかがでしょうか。

 

心の病気  → うつ病 → うつ病になった友達のA君のケースを考えてみる

 

A君のケース

 

A君の恋人Bさんは、A君に少しでも笑って欲しいと願う。

 

A君が元々落語を楽しむのが大好きであったことから、家にこもりっきりのA君を積極的に寄席や落語会に連れて行った。時間こそかかったけれど、A君は次第に笑うようになり、最近は症状も軽くなっている

 

⇒ A君のケースから、「『笑い』は、心の病を癒すことがきる」と改めて実感する

 

このように「私が知っている人の場合」を話すことは他の受験者との差別化を図ることができ、印象に残るスピーチとして高く評価されます。

 

 

 

自分の言いたいことを相手の心の中にイメージさせることができれば、英検1級2次試験で面接官の心に鮮明な印象を残し、合格へ一歩近づきます。

 

書物であれスピーチであれ、言葉の力だけで鮮明なイメージを、読む人、聞く人にインプットすることが出来ます。 

 

優れた作家は、情景を具体的に描写することで読者を別の世界にいざないます。

 

例えば、村上春樹「海辺のカフカ」の小説では、主人公14歳の少年が一人で森の中で生活をします。その場景を描く部分でたったの8行で次のような具体的な言葉を盛り込んでいます。

 

「コンパス、ナイフ、水筒、非常用食料、防水スプレー、長袖のシャツ、首のまわりに巻くタオル、帽子、雨、ポンチョ、低い灰色の雲、空を横切る鳥の群れ」

 

誰もが経験し、見たことのある場面、景色、物体を具体的に述べることが鮮明なイメージを与えるスピーチになります。

 

テソーラスの英検1級2次スピーチ対策クラスで、「輸入を制限すべきか否か」について議論した時のことです。

 

ある主婦の方が「賛成です。中国の製品は値段が安い。私の家族は主人、私高校生の息子3人がテニスをするのでタオルがいくらあっても足りません。中国製100円タオルだったら新しいタオルを何本も躊躇することなく買うことが出来て助かっています。」

 

ここにも「高校生の息子、主人、テニス、中国製タオル、100円」など具体的な言葉が使われています。

 

英検1級二次試験では、私的なこと、日常的なことは言うべきでないという誤解があるようですが、試験官も同じ生活者。遠慮なく生活用語をスピーチに盛り込んで親近感をかちとりましょう!