【英検準1級ライティング】意見論述と要約、2つのテンプレート——採点する側から

英検準1級のライティングには、テンプレートが2つ必要です。

2024年のリニューアルで、準1級のライティングは意見論述と要約の2題構成になりました。この2つは、求められていることがまったく違います。意見論述は「自分の立場を論証する」課題で目安 120〜150語、要約は「他人の論理を再構成する」課題で 60〜70語。分量も役割も別物です。同じ型を当てると、どちらかで必ず崩れます。

本記事では、その2つの型をそのまま使える形でお渡しします。あわせて、論理をつなぐ表現、採点観点ごとの加点行動、提出前のセルフ添削チェックリストまでまとめました。

(私たちは英検1級・準1級を専門とする指導機関 テソーラスハウス として、指導する側からライティングを見ています。)

テンプレートを使う前に——準1級で点が動く順序

先に、順序の話をさせてください。ここを間違えると、テンプレートは機能しません。

準1級のライティングは、内容・構成・語彙・文法の複数観点で採点されます。そしてどれか一つが大きく崩れると、他が良くても総合は伸びません。

指導する側の実感を一つ挙げると、最も差がつくのは内容と構成です。語彙と文法は一定水準を超えると横並びになりやすく、合否を分けるのは「設問に正面から答え、筋を通せているか」。だからテンプレートが効きます。構造は型で固定でき、固定した瞬間に、残りの労力をすべて中身に回せるからです。

逆に言えば、構造が外れたまま難しい語を足しても加点されません。テンプレートは飾りではなく、加点の土台です。

① 意見論述のテンプレート

準1級の意見論述は、120〜150語で理由を2つ立てて論証します(1級は200〜240語で理由3つ。準1級は一段軽い代わりに、2つそれぞれの密度が問われます)。

段落の全体像

第1段落:導入

  • 主張(Thesis)——問いに対する立場を、最初の一文で言い切る。「どちらとも言える」は最も点にならない書き出しです。
  • 理由の予告(Blueprint)——これから挙げる2つの理由を、簡潔に示す。

第2段落:本論

  • 理由1 + 具体例・根拠 + ミニ結論
  • 理由2 + 具体例・根拠 + ミニ結論

第3段落:結論

  • 再主張(Restatement)——立場をもう一度確認して締める。新しい論点をここで出さない。

そのまま使える骨組み

I (agree / disagree) that ―――.

I have two reasons to support this view.

First, ―――. For example, ―――. Therefore, ―――.

Second, ―――. This is because ―――. As a result, ―――.

For these reasons, I believe that ―――.

120〜150語をどう配るか

語数は本番で数えるものではなく、型の段階で配分を決めておくものです。目安は次のとおりです。

パート目安内容
導入2文・25〜30語主張を1文で言い切り、理由2つを予告する
理由13〜4文・40〜50語理由+具体例か根拠+ミニ結論
理由23〜4文・40〜50語同上
結論1〜2文・15〜20語立場を再確認して締める

合計すると、最小で120語・最大で150語ちょうどに収まります。この配分が体に入っていれば、本番で語数を数える必要がなくなります。逆に、理由1に文を使いすぎると理由2が痩せ、内容の観点で落ちます。書きながら調整するのではなく、書き始める前に決めておくのが型の役割です。

この骨格は1級でも共通です。理由を3つに増やし、譲歩と反論を足したものが1級の型で、英検1級英作文の高得点テンプレートにまとめています。準1級から1級を視野に入れている方は、同じ骨組みを拡張する形で進めてください。

最も多い失点は「具体がない」ことです。理由を2つ並べても、どちらも抽象のままだと、内容の観点で伸びません。1つの理由につき、具体例か根拠を必ず一つ。これだけで答案の見え方が変わります。

② 要約のテンプレート

要約は、意見論述とは別の難しさがあります。英語の巧拙以前に、要件を外すと大きく減点される課題だからです。

4つの手順

  1. 原文の主張を一文で特定する——書き始める前に、「この文章は結局何を言っているか」を日本語で構わないので一文にする。ここが決まらないまま書き始めると、まず要件を満たせません。
  2. 支える論点を拾う——主張を支えている柱を拾い上げる。細部のデータや例示は、原則として落とします。
  3. 自分の言葉に置き換える——原文の語句をそのまま写さない。ここが要約の核心です。上手に並べ替えても、「要約する力を示せていない」と判断されます。
  4. 60〜70語に収める——語数は要件です。要約は指定語数の幅が狭く、これは「短くまとめる」ではなく「切り捨てる」作業だと考えてください。拾った柱が3つあって語数に収まらないなら、柱そのものを減らします。表現を圧縮して詰め込むと、かえって要点が読み取れない答案になります。

そのまま使える骨組み

The passage discusses ―――.

According to the author, ―――.

On the other hand, ―――.

Overall, the author suggests that ―――.

4文で 60〜70語——1文あたり15〜17語が目安です。この骨組みに収まらない情報は、原則として落とすべき情報だと判断してください。

英語ができる方ほど、ここでつまずきます。原文の良い表現が目に入ってしまい、つい借りてしまうからです。要約で点が落ちる構造は、指導する側の視点から英検の要約で「0点」がつく本当の理由に詳しく書いています。

論理をつなぐゴールデンフレーズ

結束語を適切に使うだけで、同じ内容でも構成の評価が変わります。

  • 理由を示す:This is because ―――/One reason for this is ―――/――― plays an important role in ―――
  • 具体を出す:For example ―――/For instance ―――/A good example of this is ―――
  • 結果を示す:Therefore ―――/As a result ―――/Consequently ―――
  • 対比する:On the other hand ―――/However ―――/While it is true that ―――
  • 締める:For these reasons ―――/In conclusion ―――/Overall ―――

同じ接続語を繰り返さないこと。First / Second の後にまた First 相当の語が来ると、構成の評価が下がります。上の各列から1つずつ選んで使う、という運用で十分です。

採点観点別・加点につながる具体行動

観点加点につながる具体行動
内容設問に正面から答える。理由2つそれぞれに、具体例か根拠を1つ添える。抽象のまま並べない。
構成導入・本論・結論の役割を段落で分ける。結束語で理由の切れ目を明示する。結論で新しい論点を出さない。
語彙同じ語の繰り返しを避け、類義語に置き換える。難語を足すより、文脈に正確な一語を選ぶ。
文法時制・冠詞・前置詞を揃える。長い一文より、正確な短文を優先する。

語彙は最後です。構造が整った答案に、文脈に正確な一語が乗ると得点帯が一段上がりますが、順序が逆だと効きません。準1級以降の語彙は「数」ではなく「精緻さ」で問われます。

提出前・セルフ添削チェックリスト

書き終えたら、必ず以下を通してください。ケアレスミスで落とす点が最も惜しい失点です。

意見論述

  • 最初の一文で立場を言い切っているか
  • 理由は2つあるか
  • 各理由に具体例か根拠があるか
  • 結論で立場を再確認しているか
  • 結論に新しい論点を持ち込んでいないか
  • 120〜150語の範囲に収まっているか

要約

  • 原文の主張を自分の言葉で言えているか
  • 原文の語句をそのまま写していないか
  • 細部の例示やデータを落とせているか
  • 60〜70語の範囲に収まっているか

共通

  • 時制は一貫しているか
  • 冠詞(a / an / the)は正しいか
  • 前置詞の誤りはないか
  • スペルミスはないか
  • 設問のトピックから逸脱していないか

テンプレートで埋まらない部分

ここまでの型は、構造の失点を止めるためのものです。型を入れれば、崩れ方は確実に減ります。

ただし、テンプレートを使っても点が伸びない段階が来ます。そのとき問題になっているのは、たいてい「自分の答案が採点基準でどう読まれているか」が自分からは見えないことです。型を外しているのか、要件を満たしていないのか、語彙の段で止まっているのか——どこで失点しているかを特定できないと、努力の方向がずれ続けます。

準1級のライティング全体で点を落とす構造は英検準1級のライティングで点を落とさないに、学習の順序そのものは英検準1級の対策はどこから始めるべきかにまとめています。

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よくある質問(FAQ)

Q. テンプレートを使うと、機械的な答案だと思われませんか。

構成が型どおりであることは減点になりません。採点で見られるのは、設問に答えているか・筋が通っているかです。型は評価の対象ではなく、評価される中身を書く時間を作るための道具とお考えください。

Q. 意見論述と要約、どちらから対策すべきですか。

要約です。意見論述は型を入れれば崩れにくくなりますが、要約は要件を外すと英語の巧拙以前に大きく減点されます。失点の振れ幅が大きいほうから潰すのが効率的です。

Q. 語数が足りません/超えてしまいます。

意見論述は120〜150語、要約は60〜70語が目安です。足りないときは理由の具体が抜けており、超えるときは柱を絞れていません。どちらも語数の問題ではなく構造の問題なので、上の配分表どおりに文数を割り当てて解決してください。本番で数えながら書く必要がなくなります。

Q. 理由が2つ思いつきません。

賛成・反対の立場を先に決め、それから理由を探そうとすると詰まります。先に思いついた理由の側に立場を寄せるほうが、本番では速く安定します。立場そのものに正解はありません。

Q. 1級のテンプレートとどう違いますか。

骨格は同じで、理由が2つから3つに増え、譲歩と反論が加わります。準1級の型を固めておけば、1級への移行は拡張だけで済みます。

まとめ

準1級のライティングでテンプレートを2つ持つ意味は、構造で落とす点をゼロにして、残りの力を中身に回すことにあります。

今日から1つだけやるなら、意見論述の骨組みを、何も見ずに一度書き写してみてください。書き写せないなら、まだ型は入っていません。型が入った状態で初めて、語彙と表現の努力が得点に変わり始めます。

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