英検1級 二次試験の直前にやるべきは、暗記ではなく「通し」——模擬面接が点を動かす4つの理由

「準備はしていたのに、本番では別人のようだった」——英検1級の二次試験を終えた方から、私たちが毎回のように伺う振り返りです。

準備が足りなかったわけではありません。トピックごとの型を用意し、原稿を練り、音読も重ねてこられた方ばかりです。それでも本番で崩れるのは、準備したものを、本番と同じ形で一度も通していないからです。分かれ目は、ほとんどの場合そこにあります。

一次試験の結果発表は10月26日(月)。二次試験はA日程が11月8日(日)、B日程が11月15日(日)です。発表から本番まで、A日程の方に残されているのは13日しかありません。この13日で新しい語彙を積み増しても、点はほとんど動きません。動くのは、すでに手の中にあるものを、出し切れるようになったときです。

本記事では、直前期に模擬面接が効く理由を、二次試験の採点の観点に沿って4つに整理します。あわせて、当塾が10月11日から開講する「直前模擬レッスン」で実際に何を行うかもご説明します。

二次試験は「準備の量」ではなく「準備を出せるか」を測る

英検1級の二次試験は、約10分間の面接です。簡単な自由会話のあとにトピックカードが渡され、1分間で構想し、2分間のスピーチを行い、その内容について質疑応答が続きます。

一次試験と決定的に違うのは、やり直しが利かないことです。英作文なら書き直せます。読解なら設問に戻れます。面接では、言い直した一言も、詰まった数秒も、そのまま採点の対象になります。

英検1級二次試験の傾向と対策でもご案内しているとおり、二次試験は次の4つの観点で評価されます。

  • SHORT SPEECH:与えられたトピックについて主要な点とその根拠をまとめ、首尾一貫したメッセージを組み立てる能力
  • INTERACTION:質問に対する応答と、会話を継続する能力
  • GRAMMAR AND VOCABULARY:幅広い範囲の語彙・文法を正確かつ適切に運用する能力
  • PRONUNCIATION:正確な子母音の発音・音変化、適切なアクセント・イントネーションを運用する能力

ここで見落とされがちなのは、机の上で一人で伸ばせるのは、実質的に3つ目だけだということです。残る3つは、聞き手がいて、時間が計られていて、想定外の質問が飛んでくる状況でしか測れません。だからこそ直前期の練習は、机の形ではなく、面接室の形で行う必要があります。

一人で練習していると、絶対に手に入らない4つのもの

① 人前で話すときの「態度」

当塾は長く、二次試験の対策として「スピーチの練習を人前で行い、ネイティブに自分の態度を批評してもらう」ことを挙げてきました。緊張しすぎず堂々と話すことは、知識ではなく経験でしか身につかないからです。

自室で原稿を音読している限り、本番で自分の声がどう震えるか、視線がどこへ泳ぐかは分かりません。そして態度が崩れると、同じ英語を話していても、伝わり方そのものが変わります。

② 想定外の質問から立て直す経験

スピーチまでは順調だったのに、質疑応答で崩れる——最も多い失点の形です。理由は単純で、スピーチはある程度準備できても、応答は完全な即興だからです。

“Can you explain that further?” “Is there any disadvantage?” “Do you think everyone would agree with that?”——この一言で頭が真っ白になる経験は、一度白くなったことのある人にしか対処できません。

ここで知っておいていただきたいのは、面接官は完璧な回答を求めていないということです。見られているのは、対話を続けようとしているかどうか。多少文法が崩れても、自分の考えを伝え続ける受験者は評価されます。反対に、沈黙してしまうと対話能力そのものを評価できません。沈黙せずに言い直す技術は、沈黙した経験の上にしか乗りません。

③ 1分と2分の体感

合否を分けるのは、実は2分間のスピーチではありません。その前の1分間です。この1分で「立場・理由・具体例」を決め切れるかどうかで、話し出したあとの安定がまるで違います。

そして2分は、体感より短い。時計を自分で見ながら一人で練習した2分と、面接官の前で話す2分は別物です。残り30秒で結論に入るという感覚は、実際に人前で何度か計られて、はじめて身体に入ります。

④ 自分では聞こえない発音と、言い淀みの癖

録音を聴き返す方法にも限界があります。自分の発音の何が伝わっていないのかは、伝わらなかった側にしか分からないからです。

語尾が消える。同じつなぎ語を繰り返す。考えるときに必ず “Well…” が出る。こうした癖は、聞いていた人がその場で書き留めていなければ、指摘されないまま本番へ持ち越されます。

失敗は、本番より先に済ませておく

当塾で合格された方の言葉を、二つ引かせてください。

「正直、この演習の場は、試練です。本番以上に緊張したかもしれません。(中略)逆に、本番では、二人を相手にスピーチすればいい、と考えると、かなり気が楽になりました。(中略)また、ここで失敗をたくさんしておけば、その失敗をしないように、本番で気をつけられる、ということを考えながら取り組みました」

A.O.さん(2020年 英検1級合格・合格体験記)

「1人でスピーチするのと人前でするのとでは大違いです。テソーラスハウスでは、多くて6人くらいの前でスピーチをすることになるのですから本番は余裕に感じます。スピーチの2分という時間も徐々に身についていきます」

Hikaruさん(2017年 英検1級合格・合格体験記)

お二人が受講された当時は、1クラスの人数が今より多く、6名前後の前で話す形でした。現在の直前模擬レッスンは各回定員3名です。それでも、講師と他の受講者が見ている前で、時間を計られながら通すという形は変わりません。二次試験の面接官は2名です。

お二人に共通しているのは、本番と同等かそれ以上に負荷の高い場所を、本番より先に通ったという点です。

模擬面接の目的は、うまく話せることを確認して安心することではありません。本番で起こりうる失敗を、本番より前に、取り返しのつく場所で起こしておくことです。失敗の在庫を持っている人は、当日に同じ失敗をしにくく、仮にしても立て直せます。

結果発表を待つと、13日しか残らない

逆算してみます。

日程実施日結果発表からの日数
一次試験 結果発表10月26日(月)—
二次試験 A日程11月8日(日)13日
二次試験 B日程11月15日(日)20日

この13日のあいだにも、仕事があり、生活があります。実際に練習へ充てられるのは、多くの方で数回でしょう。結果を確認してから動き始めると、模擬面接を一度も通せないまま本番を迎えることになります。

一次試験に手応えのある方には、発表を待たずに始めることをおすすめしています。当塾の直前模擬レッスンにも、結果発表前の回(10月11日〜25日)を用意しました。万一、一次試験が不合格だった場合は、振込手数料を差し引いた金額を返金いたします。早く動いたことで損をする構造にはしていません。

直前模擬レッスンで行っていること

「英検1級 二次試験 直前模擬レッスン」では、ネイティブ講師が面接官役を務め、入室から2分間スピーチ、質疑応答までを本番と同じ流れで通します。トピックカードの選択から始め、終了後に講師から評価とアドバイスをお伝えします。

レッスン中、講師はあなたのスピーチと応答を手元で細かくメモしています。語彙の選び方、発音やイントネーション、言い淀んだ箇所まで書き留め、そのメモをもとに一つひとつフィードバックします。「よかったです」で終わらせないためです。

担当は複数のネイティブ講師が務めます。一人の講師の好みに偏らない評価を受けられること、そして回によって面接官が変わることは、本番の不確実性そのものの練習になります。

英検1級 二次試験 直前模擬レッスン(2026年度第2回 二次試験対策)

開講期間:10月11日(日)〜11月5日(木)/全13回

時間帯:日曜の午前・昼、平日の夜19:00〜20:40、土曜の午後

1回の時間:100分(申込締切時点でお申込みが1名の場合は50分のマンツーマン)

定員:各回3名

受講料:7,500円/1回(人数にかかわらず同額)/入会金 0円

会場:渋谷駅徒歩圏の提携会場(詳細はお申込み確定後にご案内)

講師:当塾ネイティブ講師

申込締切:各回の2日前

お支払い:銀行振込/クレジットカード

よくあるご質問

Q. 一次試験の結果が出る前でも申し込めますか。

はい、お申し込みいただけます。一次試験が不合格だった場合は、振込手数料を差し引いた金額を返金いたします。結果がわかり次第、メールでご連絡ください。

Q. 参加者が自分ひとりだった場合、受講料は変わりますか。

変わりません。1名で50分のマンツーマンとなった場合も、受講料は7,500円です。実施時間は締切日(各回の2日前)にメールでお知らせします。

Q. 何回でも受講できますか。

はい。回数の制限はありません。お申込みフォームで希望日時を複数お選びいただけます。一度目で出た課題を、二度目で直して本番へ向かう——直前期の使い方としては、これが最も確実です。

Q. 当塾に通ったことがなくても参加できますか。

はい。入会金は0円で、1回からご受講いただけます。

会場に来られない方へ

渋谷の会場へのご来場が難しい方、日程の合う回が見当たらない方には、次の二つをご用意しています。

ただし、本記事でご説明した4つのうち「人前で話すときの態度」と「想定外の質問からの立て直し」は、対面でなければ十分には練習できません。通える方には、会場での模擬面接を強くおすすめします。

おわりに

英検1級の二次試験は、英会話の試験ではありません。1分で考え、2分で構成し、想定外の問いに崩れずに答え続ける——その一連を、本番以外の場所で一度でも通したかどうかが、当日の出来を分けます。

1991年の創立以来35年、当塾は英検1級・準1級だけを見てきました。その経験から申し上げられるのは、直前期に伸びるのは知識ではなく、出し切る力であるということです。

残された日数は、誰にとっても同じだけあります。差がつくのは、その使い方です。