【英検対策】もし一次試験が不合格だったら
2026/06/06作成
第2回(10/4)へ向けた4ヶ月の再設計指針
もしかしたら英検1級や準1級の不合格を確信しているかもしれません。ご自身の手応えを信じていた方ほど、その通知を見た瞬間の落胆は深いものです。
「あれだけ準備したのに、また届かなかった」 「自分には英検1級は無理なのかもしれない」 「次の試験まで、何を変えればいいのか分からない」
そう感じている方へ、まず一つだけ、率直に申し上げたいことがあります。
35年間で3,500名以上の合格者をお送りしてきた中で、合格者の少なくない数は、過去に不合格の経験があります。 むしろ、一度の挑戦で合格された方のほうが、テソーラスハウスでは少数派です。
不合格は、英検1級という試験との「相性」を示すものではありません。 それは、現在のあなたの 学習設計と、試験が要求する水準の、ズレを可視化した診断結果 です。
10月4日の第2回試験まで、約4ヶ月。 この期間で結果を変えるための再設計指針を、6本柱でまとめます。
結果に関わらず、次の一手を冷静に設計したい方は、
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不合格は「失敗」ではなく「診断結果」。 何が足りなかったのかを言語化する
最初に取り組むべきは、自分を責めることでも、新しい教材を買うことでもありません。不合格通知に含まれる CSE スコアを、技能別に読み解くことです。
① CSE スコアの技能別配点を見る
英検1級一次試験の CSE スコアは、3技能(リーディング・リスニング・ライティング)に分かれて表示されます。
各技能の満点は 850、合格基準スコアは 2028 / 2550。 ここで重要なのは、3技能の合計スコアではなく、技能別の偏りを見ることです。
例えば:
| パターン | リーディング | リスニング | ライティング | 合計 | 診断 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 720 | 720 | 580 | 2020 | ライティングが致命的に低い |
| B | 800 | 600 | 620 | 2020 | リスニングが大きく不足 |
| C | 680 | 680 | 660 | 2020 | 全体的にあと一歩、底上げ型 |
同じ「合計2020点(合格点-8点)」でも、3つの不合格の中身は全く異なります。 そして、4ヶ月の学習設計も、それぞれ全く違うものになります。
② 自己分析の罠:「努力が足りなかった」で終わらせない
最もよくある不合格後の自己分析は、「努力量が足りなかった」というものです。
この結論で再挑戦すると、ほとんどの場合、結果は変わりません。 なぜなら、「同じ努力をもっとする」だけでは、足りなかった技能の構造的欠陥が解消されないからです。
35年見てきて、僅差落ちの方の8割以上は、学習量は十分でした。 不足していたのは、**「使える形になっていない知識」**と「型が固まっていない技能」です。
③ 4ヶ月の再設計は「言語化された弱点」から始まる
技能別スコアを見て、自分の弱点を 言語化 してください。
- 「リーディングは70点中55点。長文の論旨追跡が遅い」
- 「リスニング Part 3 で半分以上落としている。Real-Life の対策が手薄」
- 「ライティングの構造が、Body 1 と Body 2 で論点が重複している」
抽象的に「英語力が足りない」と言うのではなく、具体的なパート・技能・現象まで降ろすこと。 ここで言語化された弱点が、4ヶ月の学習設計の起点になります。
漫然とした学習が最も危険
不合格後の4ヶ月は、3期に明確に分けてください。
期分けをしないと、何が起きるか。
「結局、過去問を何回も解いただけで、本番に間に合わなかった」 「直前1ヶ月で焦って、新しい教材に手を出して、消化不良で当日を迎えた」
これは、第2回で再び不合格となる方の典型的な振り返りです。
このような方は、いつまで経っても合格に近付けず、挫折しやすいです。案外時間はありませんので、自己管理が必要となります。
① 第1期 6月〜7月(基盤再構築期)
この期間に取り組むべきは、弱点技能の構造的修正です。
- 弱点として言語化した技能のみに、学習時間の60%を集中投下
- 過去問は、この期間は「分析対象」として使う(時間を測って解くのは第2期から)
- 新しい教材は1冊だけ追加(既存の教材を補強する位置づけのもの)
語彙の使える化、作文構造の固定、リスニング Part 3 の型の習得。 この3つのどれが弱点だったか に応じて、6月〜7月の学習計画を作ってください。
② 第2期 8月(実戦移行期)
この期間に取り組むべきは、過去問4回分を時間制限で解き、弱点分布を再測定することです。
- 過去4回分の試験を、本番と同じ時間配分で解く
- 解いた後、技能別・パート別の正答率を エクセルで一覧化
- 自分の弱点分布の変化を、5月の不合格時点と比較
8月の実戦移行期で重要なのは、「結果に一喜一憂しない」ことです。 ここで取得するデータは、9月以降の最終調整のための 測定値 です。
③ 第3期 9月〜10月(仕上げ期)
この期間に取り組むべきは、弱点パートに学習時間を再配分し、模試で合格点+5点を狙うことです。
- 8月の測定値で残った弱点に、学習時間の70%を集中投下
- 試験 2 週間前に、過去問1回分を本番と同条件で実施し、模試結果を確認
- 試験 1 週間前は、新しいインプットを止めて、型のリハーサルのみ
9月〜10月で 新しい教材を追加することは禁物 です。 ここまでに固めた武器を、本番で出し切る状態に磨くことに集中してください。
④ 各期の境目で「測定」を必ず入れる
3期の各境目(7月末・8月末)で、測定を必ず入れること。
- 7月末:弱点技能だけで、ミニ模試(過去問の該当技能パートのみ)を実施
- 8月末:過去問1回分をフル模試で実施
- 9月末:過去問1回分を本番リハーサルとして実施
測定なしで進む4ヶ月は、漫然と消えていきます。 測定 → 軌道修正 → 学習 のループが、再挑戦の精度を上げます。
35年の指導実績から導き出した正解。
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語彙学習の「読める」から「使える」への転換
僅差落ちの方の多くは、語彙で実は7〜8割は取れています。
それなのに合計スコアで落ちるのは、語彙が「読める状態」に留まっていて、「使える状態」になっていないからです。
英検1級は、語彙の 能動的な使用(作文・面接で出すこと)が問われる試験です。 「知っている」から「使える」への転換を、第1期の中心テーマに据えてください。
① パス単1級の「使える化」訓練
パス単1級の上位2,000語のうち、自分の意見と紐づけて使える語を 200語に絞る。
200語の選定基準:
- 自分が書きたいトピック分野(教育・環境・テクノロジーなど)で出てくる語
- 抽象度の高い概念を表す動詞・名詞(formulate, undermine, paradigm, etc.)
- 同じ意味の言い換えとして使える3〜4語のセット
200語が決まったら、以下の訓練を1日10語で進めます:
- 単語の意味を確認
- 自分の意見文の中で、その単語を使う1文 を書く
- 翌日、その文を見ずに、同じ単語を別の文脈で再使用してみる
この訓練を200語×20日で完了させる。 これだけで、英作文と面接での語彙運用が、目に見えて変わります。
② 「全部覚えよう」から「使えるものを増やす」へ
パス単1級を「完璧に覚えよう」とする学習方針は、4ヶ月の中では非効率です。
35年見てきて、合格者の多くは、パス単1級の 使えない語(読むだけで認識できる語)は捨てています。 使える200語 を厚く持っていることが、合格者の共通項です。
「全部覚える」より「使えるものを増やす」が、4ヶ月戦略の核です。
英作文の構造を採点者目線で固定する
僅差落ちの英作文の特徴は、「内容は悪くないが、構造がブレている」ことです。
採点者の視点から見ると、構造のブレは即座に減点対象になります。 35年、ネイティブ採点者の視点を観察してきたテソーラスハウスから、4ヶ月で必ず固定すべき構造を提示します。
① Introduction → Body 1 → Body 2 → Body 3→ Conclusion の4段構成
英検1級の英作文は、5段構成が前提です。 3段でも4段でもありません。5段です。
Introduction(30〜40語)
→ トピックに対する自分の主張+理由を2つ予告
Body 1(50〜60語)
→ 理由1のトピックセンテンス+具体例+まとめ
Body 2(50〜60語)
→ 理由2のトピックセンテンス+具体例+まとめ
Body 3(50〜60語)
→ 理由2のトピックセンテンス+具体例+まとめ
Conclusion(20〜30語)
→ 主張の言い換えで閉じる(新しい主張・新しい理由は禁止)
この型を、毎回必ず守ること。 内容のクオリティは型を守った上で初めて評価される、というのが採点者の実態です。
② 各パラグラフの第1文は、必ずトピックセンテンス
各Bodyの第1文は、その段落の主張を端的に述べる文でなければなりません。
悪い例:
Body 1 第1文:For example, in Japan, the population is aging rapidly...
良い例:
Body 1 第1文:First, an aging society creates significant economic challenges.
For example, in Japan, the population is aging rapidly...
トピックセンテンスを置かないと、採点者は 段落の論点を最後まで読まないと判定できない ことになり、結果として「論理が不明瞭」と判定されます。
③ 理由は必ず2つ。具体例とデータ的根拠を1セット
各Bodyでは、それぞれで以下の構造を守ってください:
- トピックセンテンス(主張)
- 具体例(実例・事実)
- データ的根拠(統計・歴史的事例・公的データ)
- まとめ(トピックセンテンスへの回帰)
「具体例だけ」で押し切る作文は、合格点に届きません。 「統計だけ」で押し切る作文も、合格点に届きません。 両方を1セットとして、Body パラグラフのそれぞれに配置する。
④ 4ヶ月で10題こなせば、安定点が2〜3点上がる
英作文の上達は、書いた回数に比例します。 ただし、ただ書くのではなく、型を守って書く → ネイティブ視点で添削を受ける のサイクルを回す必要があります。
4ヶ月で10題、添削込みで仕上げると、英作文の CSE スコアは、35年見てきて 平均で3〜4点(CSE換算で約60〜80点)は上がるかと思います。 これは、合格点-15点層が、合格点+5点層に届く可能性を持つ改善幅です。
リスニング・長文の弱点パートに学習配分を寄せる
英作文の改善だけでは、3技能合計で 2028点 に届かない場合があります。 リスニングと長文の改善も、並行して進めてください。
① リスニング Part 3(Real-Life)の捨て問判断
リスニング Part 3 は、英検1級リスニングで最も失点しやすいパートです。 ここで「全問正解」を狙うのは、現実的ではありません。
代わりに、「設問パターン別に得点を取り切る」 戦略に振り切ってください。
- Real-Life の設問は、目的・条件・選択肢の3要素で構造化される
- 状況描写を1回目で取り切り、選択肢を2回目で照合
- 取れない設問は無理に追わず、Part 1/2 で点を確保
「捨て問の判断」ができるようになると、Part 3 の正答率が 2問改善 します。 これは CSE スコアで 30〜40点の改善に相当します。
② 長文は「読む量」より「読み筋」を磨く
長文で落ちる方は、「読む量を増やせばいい」と考えがちです。 しかし、僅差落ちの方は、すでに量は十分こなしています。
足りないのは「設問の意図に対する読み筋」です。
3つの読み筋を体系化してください:
- 主張パラグラフを最初に特定する
- 序論パラグラフの最後の1〜2文に、論文全体の主張がある
- 主張を頭に置いてから、各パラグラフを読む
- 設問のキーワードを段落単位で照合する
- 設問で問われている内容のキーワードを抽出
- パラグラフごとに、そのキーワードがどこで議論されているかを照合
- 言い換え表現の特定パターンを覚える
- 設問の選択肢は、本文の表現を言い換えて出題される
- 「increase = surge / boost / climb」のような言い換えセットを覚える
この3パターンの読み筋を体系化するだけで、長文の正答率は 1〜2問改善 します。
リスニング対策については、こちらの記事もあわせてご確認ください。 👉 英検1級リスニングで失点する人の3つの癖 — 既存対策では届かない領域への処方箋
8月に「実戦移行」できる準備を6-7月で整える
第2期(8月)の実戦移行が成立するには、第1期(6月〜7月)で土台が固まっている必要があります。
8月実戦移行の前提条件:
- パス単1級の「使える200語」が、自分の意見と紐づいて使える状態
- 英作文の4段構成の型が、テンプレなしで書ける状態
- リスニング Part 3 の聞き方の型が、自動化されている状態
- 長文の3パターンの読み筋が、設問の種類によって使い分けられる状態
① 7月末の達成基準を数値で持つ
6月〜7月の学習を進めながら、7月末の達成基準を数値で持つこと。
- 過去問1回分の英作文を、添削込みで CSE 700相当に届かせる
- リスニング Part 3 で 9問中 6問以上正答できる
- 長文1回分(大問3)を 35分以内に処理できる
この3つが7月末にクリアできていれば、8月の実戦移行はスムーズに進みます。 クリアできていない場合、8月に過去問演習を急いでも、定着しません。
② 7月末のチェックリスト
簡易チェックリスト:
- [ ] 「使える200語」が、意見文の中で違和感なく出てくる
- [ ] 英作文の4段構成を、テンプレを見ずに書ける
- [ ] リスニング Part 3 の選択肢を、目的・条件・選択肢で構造化できる
- [ ] 長文の主張パラグラフを、5分以内に特定できる
- [ ] 過去問1回分を、本番と同じ時間配分で解ききれる
5項目のうち、3つ以上が「未達」の場合、8月の実戦移行は 延期 してください。 7月末までの基盤再構築に、追加で2週間投下する方が、最終的な合格率は上がります。
③ ここを抜けないと9-10月の仕上げが効かない
第3期(9〜10月)の仕上げ期に効くのは、第1期と第2期で固まったものだけです。
仕上げ期に新しい知識を追加しても、定着する時間がありません。 だからこそ、第1期と第2期の到達度が、第3期の伸び幅を決めます。
「ここを抜けないと、後半の伸び代が消える」 これが、4ヶ月の再設計で最も重要な原則です。
おわりに:「切り替え」の意思決定が次回を決める
不合格は、不運でも才能不足でもありません。 学習設計の調整で、結果は変わります。
35年見てきて、再挑戦で合格された方に共通するのは、5月のうちに「何を続け、何を変えるか」を決めていることです。
- 「同じ4ヶ月を繰り返さない」と決めること
- 不合格を「失敗」ではなく「診断結果」として読み替えること
- 4ヶ月を3期に分け、各期の達成基準を数値で持つこと
- 弱点を言語化し、学習時間の配分を弱点に寄せること
これらが、第2回での合格を可能にする再設計の核です。
テソーラスハウスは、再挑戦者を支える機関です。 35年間の合格者の中で、一度の不合格を経て次の挑戦で合格に届く方は決して少なくありません。 むしろ、最初の挑戦で合格された方の方が、当校では少数派です。
もし今、英検対策の学習に行き詰まりを感じているなら、
現在の実力を診断する個別カウンセリングへお越しください。
また、校長 小林蕗子による直通電話相談も、お気軽にご利用ください。

