【英検対策】英検一次試験後の過ごし方
2026/05/31作成
合格発表までの3週間で「次」が決まる
5月31日の英検1級一次試験、お疲れさまでした。
試験会場を出た瞬間の脱力感、ご自宅に戻ってからの「自分の答え合わせがしたい」衝動、
そして6月22日の合格発表までの約3週間の宙ぶらりんな時間。
ここから先の過ごし方について、率直に申し上げます。
この3週間の使い方が、合否が確定したあとの動き出しを決めます。
35年にわたり3,500名を超える合格者をお送りしてきたテソーラスハウスから、合格を確信した方にも、不安を抱える方にも、両方の動き方を提示します。
6月22日の合格発表までの3週間を「待ち時間」として消費するか、それとも「助走路」として使うか。 ここでの選択が、6月22日の合格発表後、最も大きな差を生みます。
結果に関わらず、次の一手を冷静に設計したい方は、
現在の実力を診断する個別カウンセリングへお越しください。
1. 試験翌日にすべき自己採点 ── 客観的な現在地把握
試験翌日の朝、まず自己採点に取り組んでください。ただし、ここで重要なのは「正確に点を出す」ことではなく、
現在地のおおまかな位置を把握することです。
① 公式解答が出るまでは「非公式速報」とどう付き合うか
試験翌日には、各種教育サイト・X(Twitter)・YouTube などで、非公式の解答速報が一斉に出回ります。
これらは参考になりますが、個別の問題で正答が割れることが毎年あります。
特に英作文・長文読解の解釈の幅は、サイトによって判定が異なる場合があります。
非公式速報の段階では、「8割方の傾向を掴む」程度に留め、正式な公式解答が出るまで断定的な自己採点はしないでください。 公式解答は、試験翌週前半に英検公式サイトで公開されるのが通例です(最新情報は公式サイトでご確認ください)。
特に要約文が追加されてから、Writingセクションでの出来によって合否が大きく左右するケースが増加しています。そのため、解答速報が出た時点で胸を張って「合格していそうだ」と言える方は少なくなっていますので、安心してください。
② 自己採点の精度を上げる手順
問題用紙にしっかり選択肢をマークしてきた場合、自己採点ではあまり困らないかと思います。
もし選択肢をマークしていない場合は、正確な自己採点のために、試験会場を出た直後の15分以内に取った記憶メモが最大の資産になります。
- 大問1(語彙):選んだ選択肢を25問分復元
- 大問2(長文穴埋め):迷った設問の選択肢
- 大問3(長文読解):論旨の理解度メモ
- 英作文:書いた主張・トピックセンテンス
- リスニング:聞き取れた/聞き取れなかった設問の番号
メモが作成できない場合は、長文と英作文の感触だけで「合格圏の上中下」を3段階で自己評価してください。
完全な自己採点よりも、この3段階評価のほうが、二次対策の着手判断には実用的です。
③ 自己採点後に「保留」が最も多い理由
英検1級の自己採点で最も多い結末は、「合格点ボーダーの±5点に収まる」というものです。
これは、合格を確実に積み上げる学習をしてきた方ほど、ボーダーラインに収束しやすい構造的事実です。 自己採点で保留に終わった場合、合格を前提に二次対策を始めるべきか、不合格を覚悟して10月に切り替えるべきか、判断が割れます。
このとき取るべき動きは、後ほどのセクションで具体的に提示します。
2. CSE スコア配点の読み方 ── 合否ラインの位置感覚を持つ
英検1級の合否は、生の正答数ではなくCSE スコア(Common Scale for English)で判定されます。 ここを理解せずに自己採点をすると、「7割取れたから合格圏」という早合点が起きます。
CSEスコアについての記事はこちら

① 一次試験の合格基準点
英検1級一次試験の合格基準スコアは、2028 / 2550(受験案内記載)。 3技能(リーディング・リスニング・ライティング)の CSE スコア合計で判定されます。
各技能の配点は以下の通り(CSE スコア):
| 技能 | 満点 | 合格ラインの目安 |
|---|---|---|
| リーディング | 850 | 700 前後 |
| リスニング | 850 | 700 前後 |
| ライティング | 850 | 700 前後 |
| 合計 | 2550 | 2028 |
3技能合計で 2028 を超えれば合格、超えなければ不合格です。
② 「1技能の極端な低得点」が招く不合格
CSE スコアの怖いところは、1技能だけが極端に低い場合、他の2技能でカバーしきれないケースがあることです。
例:
- リーディング 800 / リスニング 800 / ライティング 400 = 2000(不合格)
- リーディング 700 / リスニング 700 / ライティング 700 = 2100(合格)
つまり、英検1級一次試験は「3技能のバランス型試験」です。
英作文だけが弱い、リスニングだけが極端に弱い、という偏りがあると、合計点でも届かなくなります。
③ 自己採点を CSE 換算する簡易方法
正確な CSE 換算は試験結果が出るまで分かりませんが、目安として:
- 各技能の正答率を出す(例:リーディング 41問中32問正答 → 78%)
- 78% を CSE スコアに換算すると 約 700前後
- 3技能の正答率を足して 3で割った値が約 75% を超えていれば、合格圏内に入る可能性が高い
ただし、これはあくまで概算です。 正確な CSE スコアは、英検協会の公式採点ロジック(IRT 方式)で算出されるため、本人の自己採点とは数十点ずれることもあります。
3. 一次合格を確信したらすぐ始める ── 二次対策の3週間前倒し
さて、ここからが本題です。自己採点で「合格点+10点以上」あると判断できた方は、6月1日からすぐに二次対策を始めてください。
二次試験まで、A日程の方はわずか 約2週間、B日程の方でも 約3週間 しかありません。 この期間で初めて対策を始めても、初挑戦者の合格率は明らかに下がります。
35年見てきて、二次試験初挑戦で合格される方の共通項は、一次合格発表前から二次対策を始めていることです。
① 二次対策の本質は「型」と「引き出し」
二次試験対策は、新しい知識を入れる作業ではありません。 スピーチ構造の「型」を体に染み込ませ、トピック分野ごとの「引き出し」を整理する作業です。
「型」のリハーサル:
Introduction(30秒)
→ 主張+理由を2つ予告
Body 1(40秒)
→ 理由1+具体例
Body 2(40秒)
→ 理由2+具体例
Conclusion(10秒)
→ 主張の言い換えで閉じる
この型を体に染み込ませるには、最低でも 30本のスピーチ練習 が必要です。 6月1日から始めれば、A日程まで約5週間、B日程まで約6週間。1日1本のペースで、本番までに十分に到達できます。
頻出トピック分野は以下の6分野に集約されます。
| 分野 | 例 |
|---|---|
| 教育・若者 | 早期英語教育の是非、SNS と若者の学力 |
| 環境・エネルギー | 原発・再生可能エネルギー、企業の環境責任 |
| 国際関係・外交 | 移民・難民、国連の役割 |
| テクノロジー・AI | AI と雇用、ビッグデータと個人情報 |
| 経済・労働 | 働き方改革、グローバル経済 |
| 社会・倫理 | 死刑制度、ジェンダー、表現の自由 |
各分野で 賛成・反対の両側から1セットずつ持ちネタを準備する。 これだけで、当日のトピック適応力が格段に上がります。
② 一次合格を確信する目安
「合格点+10点以上」を確信する目安は以下の通りです:
- 自己採点で 3技能とも 75% 以上の正答率
- 英作文の主張が明確で、Body 1・Body 2 の論理が破綻していない
- リスニング Part 3 で 9問中 7問以上の手応え
- 全体的に「過去問演習時と同等以上の感触」
この目安に届いていれば、合格確率は高く、二次対策に投資して間違いありません。
③ 不確実でも始める価値
自己採点で保留に終わった方も、二次対策の「型」のリハーサルだけは始めて損はありません。
なぜなら、二次対策の「型」と「引き出し」は、10月の再挑戦にも応用可能だからです。 一次再受験のための学習設計の中に、面接対応力の維持トレーニングを織り込むことで、無駄が出ません。
「合格を確信できないから始めない」より、「不確実でも保険として始める」方が、結果として時間効率が良くなります。
35年の指導実績から導き出した正解。
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4. 一次不合格を覚悟する方へ ── 失敗ではなく診断結果
自己採点で「合格点-15点以下」と判定された方は、結果発表を待たずに 10月本番(第2回)への切り替えを早期決定してください。ここで時間を浪費するのは、もったいないことです。
① 「悔しさ」を抱えたまま2週間過ごす損失
不合格の可能性が高い場合、合格発表までの3週間を「もしかしたら…」という気持ちで過ごすと、再挑戦の助走期間を丸ごと失います。
10月の第2回試験まで、約4ヶ月。 これは決して短くなく、適切な学習設計があれば、十分に合格圏に乗せられる期間です。
ただし、4ヶ月を 「同じ学習を繰り返す」4ヶ月にしてしまうと、結果は変わりません。 不合格は「努力不足」ではなく、「学習設計の不一致」であるケースが、35年見てきて圧倒的多数です。
② 「診断結果」としての不合格
不合格通知は、通信簿ではなく 診断結果 です。
CSE スコアの技能別配点を見れば、自分のどの技能が足を引っ張ったかが客観的に分かります。
- リーディングが極端に低い → 長文の論旨追跡訓練が不足
- リスニングが極端に低い → Part 3(Real-Life)対策が手薄
- ライティングが極端に低い → 4段構成の型が固まっていない
この 「技能別の弱点が言語化されている」状態 が、再挑戦の最大の資産です。
③ 第2回(10/4)に向けた具体的な動き方は別記事で
第2回に向けた4ヶ月の学習設計指針については、別記事で詳細に解説します。
不合格を覚悟する方・10月再挑戦を考える方は、こちらの記事をあわせてご確認ください。
合格発表を待つ前から動き出すこと。 4ヶ月を3期に分けて、漫然と過ごさないこと。 この2点が、第2回での合格を決めます。
5. 合格発表前にやってはいけないこと
最後に、合格発表までの3週間で 避けるべきこと を5つ提示します。
① SNSの自己採点情報に深入りしない
他の受験者の自己採点を見て、自分の判断が揺らぐのは典型的な失敗パターンです。 自分のメモと公式解答で自己採点を完結させ、SNSの集合知に判断を委ねないこと。
特に、最近のSNSではバズる内容が拡散されやすく、これはほとんどの場合高得点での合格結果です。そのため、SNSを見ていると「私以外みんな受かっている…」と勘違いしやすいです。
② 「今年は合格点が下がる」型の予測情報を信じない
毎年、SNSや非公式サイトで「今年は難しかったから合格点が下がる」「ライティングの採点が緩い」といった予測が飛び交います。 全て根拠のない推測です。CSE スコアは IRT 方式で動的に算出されるため、外部から予測することは不可能です。
これらの情報で安心したり、不安になったりするのは、時間の無駄です。
③ 学習を完全に止めない
合格を確信した方も、不合格を覚悟する方も、保留の方も、学習を完全に止めることは避けてください。
合格者は二次対策、不合格者は10月再挑戦、保留の方は両にらみで、それぞれの動きを始める。 3週間の学習空白 が、その後の動き出しを最も遅くします。
④ 結果が出てから動こうとしない
「合格してから二次対策を考える」「不合格が確定してから10月対策を考える」では、いずれの場合も時間が足りなくなります。
二次対策は3週間前倒し、10月対策でも、1ヶ月前倒しで1日でも早く実施するが、35年見てきて感じた合格者の共通点です。
⑤ 自分を責めない
最後に、これが一番大切です。 自己採点で合格圏に届かなかった場合も、ご自身を責めないこと。
英検1級は、英語学習者の上位層が集まった上で、さらに10%が合格する試験です。 ここまで挑戦したこと自体が、すでに大多数の学習者を超えた到達点にいます。
結果は、次の動き出しの起点であって、終着点ではありません。
万が一落ちていても、どうか自分を責めすぎないでください。
最後に ── 3週間を「次」への助走に変える
合格発表までの3週間。 この時間は、宙ぶらりんに見えて、実は 最も柔軟に動ける時間 です。
合格を確信した方は、二次対策の前倒しに使える。 不合格を覚悟する方は、10月再挑戦の助走に使える。 保留の方は、両にらみの戦略立案に使える。
どの立場であっても、「待つ」ではなく「動く」3週間にしてください。
35年見てきて、合格発表後に「もっと早く動いていれば」と振り返る方は、毎期一定数いらっしゃいます。 逆に、合格発表前から動き出していた方は、6月22日の発表後、迷いなく次の一手を打てています。
テソーラスハウスは、一次対策・二次対策・再挑戦の全フェーズで伴走する機関です。 試験は通過点であり、合否は終着点ではありません。
「次」が見えている学習者は、強い。 これは、35年・3,500名超の合格者を見てきた、確信を持って言える事実です。
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