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通うのが楽しみだったテソーラス

金子 重雄 英検1級二次試験 2008年

おかげさまでこのたび英検1級二次に無事パスし、ほっとしています。思えば苦闘の日々の最終仕上げをテソーラスで過ごし、数年前は夢と思っていた1級に合格できるとは思いもよりませんでした。

英語コンプレックスから英検受験まで

個人的体験をお話しさせていただきますと、元々は英語コンプレックス。母親がかつて英字紙記者で、家に外国人のお客様が来ると隠れていた子どもでした。むしろ親と比較されるのが嫌さに英語からは意識的に逃げていたと思います。就職先も英語とはほぼ無縁の国内企業。ところが数年前業績悪化の際に外資系ファンドに身売りされてしまいました。社内でもTOEICの点数が評価されるようになり、私も遅まきながら再学習を始めました。20年近いブランクの後、英語に触れたわけですが、最近は教材も充実していて案外面白く、TOEICもゲーム感覚で550点から800点までは順調に伸びました。この間準1級も取りました。その後TOEIC900越えを機に「国内英語資格の頂点である1級を目指してみよう」と思ったのが、苦闘の始まり。1級の壁はさすがに厚く、最後はA判定が3回続いたのに不合格。もうダメかと思っていた07年秋にようやく1次は通りました。

テソーラスへ

二次受験の準備不足のままインタヴューテストに臨んだ私は、面接でも上がりまくってしまい、スピーチでは「アゥ、アゥ」のアシカ状態。その後ネット検索で探し当てた、実績あるテソーラスの門をくぐったのです。これが大正解でした。
受講したのは週末のレギュラークラス。毎回一回目は「教育」「政治」など一つのジャンルについて、あらかじめ予習したトピックに基づき2分間のスピーチ、その後ディスカッションを行います。二回目は準備したものではなく、その場でトピックを選びます。特にディスカッションでは小林先生、全員大学院生のネイティヴ講師の鋭い質問や、レベルの高い受講生とのやりとりが、知的かつ緊張感あふれるものでした。授業では自分の理論と主張をしっかり、またそれをサポートする例や実体験を話すこと、2分間の時間制限を守ることなどを繰り返し教えられました。
そして毎回最後に小林先生から各人の評が行われます。私の場合はよく「細かい知識をお持ちなので…」と言われましたが、要は話が冗漫で脱線しやすい、という事だと(笑)
授業はいつも熱を帯びすぎてしばしばかなりタイムオーヴァーしました。今思うと午前・午後のクラスがくっついていたとき先生方は食事も抜いていたのでは?
ともあれ、出張が入って受験を1回パスするというアクシデントもありながら、レギュラーコースを2回受講した結果、無事合格。前回不合格だった二次の点数から20点アップでした。1級を意識してから2年近い月日が流れていました。

2次受験

既に多くの方が受験されていると思いますが、二次受験は2対1でのインタヴューテストです。日本人とネイティヴの試験官の組み合わせですが、何と今回は東進スクールのカリスマ講師安河内哲也先生でした。安河内先生の著書も読んでいた私は、これで一気にリラックスして面接を受けることができました。選んだトピックは「平和主義は21世紀に有効か」(英文を失念してしまいました。)
私の場合元々専攻が政治学、社会学であったので、「国際関係」「社会問題」を中心にヤマを張っていました。もちろんどんなトピックでもカヴァーできるのが理想ですが、教員の方は「教育」理科系の方は「環境問題」「科学」などバックグラウンドを生かして答える方が有利でしょう。このため、意識して興味のあるジャンルに関しては新聞記事や新書を読むことが肝要かと思います。
スピーチの方は「希望は持ちたいが難しい。その理由は二つ。アメリカのユニラテラリズムとテロ組織だ。」と始め、イラクではアメリカが大量破壊兵器の存在が曖昧なまま国際法を無視して先制攻撃をしかけたこと、それに対して「悪の枢軸」を始めとする国家は武力放棄は怖くてできないこと、テロリストはサウジなど親米国から出ていることなどを話し、「それではテロを防ぐためにどうすべきか」という質問に対しては、異文化に偏見を持たない教育が大切であること、また日本はほぼ世俗国家で対立する宗教の仲介者として貢献できる可能性があること、貧困を撲滅する努力をすること、そのため日本のODAは有効であることなど、聞かれたこと以上に饒舌に答えました。
最後に、「しかし日本は外国文化、外国人に対し非寛容なのでは」というネイティヴ試験官の質問に対して、若い世代は偏見もないし留学する人も多い。それに昔から日本は異文化を取り込むことには熱心だ。カレーはインドから、ラーメンは中国から。と笑いを取ったところでなごやかに試験終了。この時点で楽天的な私は合格を確信しました。(実際は思ったほどではなかったのですが)

試験準備

英検1級はTOEICとはかなり性格が異なります。たとえて言えばTOEICはネイティヴなら高等教育を受けていなくとも900以上取れると思いますが、英検1級はその説明の通り「大学卒業程度」の教養が要求されます。そのため昇る前は恐ろしく高い山のように見えますが、粛々と準備を怠らなければ私のような凡才でも合格は可能です。以下、効果があったと思う方法を記します。

  1. 英字新聞を毎日読む
    私の場合はThe Japan Times を購読し始めてちょうど半年で一次合格、1年目に二次合格いたしました。新聞は何でもいいと思いますが、文章の難易度が自分に適切で、日本の記事が多いことでこれにしました。とは言っても全ページを読むのは不可能なので、1面と「National」(国内)「Opinion」(社説)を中心に読むようにしました。英検の場合日本人を対象にした試験なので日本の政治や社会がどうなっているか、どうすればよくなるかを英語で説明できることはとても重要です。
    テソーラスに通いだしてからは、教材のジャンル分類に合わせ、使えそうな記事をスクラップして眺めるようにしました。
  2. CNN English Express の購読
    CDつきのニュース英語学習誌「CNNEE」もやはり同じころから購読をスタート。この雑誌は解説が非常に詳細です。CDをまず何も見ないで聴き、その後テキストに合わせてシャドウイングしました。音だけ聴いて文章にするリプロダクションも効果があると聞きましたが、とても余裕がありませんでした。
  3. 過去問の研究
    今回の試験でも「宇宙探検は有意義か」など既出の問題がありました。テソーラスのテキストに沿って学習することで過去問の研究ができます。慣れてくると同じ知識を応用して形を変えた質問に答えられるようになります。直前には授業で使用したテキストとノート、キッチンタイマー片手に独りブツブツ練習を繰り返しました。
    その他、こまごまと手を出して挫折した本はごっそりあります。無駄ではありませんが、まず1級合格だけを目指すためには方法を絞ることです。小説、映画など長期的には有益ですが1級は時事問題中心ですのでよほど余裕のある方以外は手を出さない方がいいでしょう。

終わりに

長々書いてまいりましたが、大学のゼミ以来、このように「楽しんで通える学校」というのはありませんでした。毎回、モチベーションの高い仲間と、様々なトピックについて英語で議論することに、一種スポーツのような爽快さを覚えました。
また、背景知識を身につけるため、新書などでいろいろな本(「国連」「ODA」「水資源」「格差社会」「クローン」など)を読むことで、多少教養を身につけることができたのは良い副産物だったと思います。

さてそれでは今後資格をどう生かすのか? 実はこれが重要なことなのですが、多くの受講生が既に英語を駆使して仕事をされていたり、次は通訳ガイド突破を目指されている中、私自身はまだビジョンがありません。とりあえずは積んで置いた小説や単行本などをゆるゆる読みながら英語力を広げようかと思っていますが…

恐らく一番の収穫は「やればできる」という自信がついたこと、英語コンプレックスを払拭できたことでしょうか。母は3年前亡くなりましたが「お前は地道な努力を惜しむ」と言われていたので、少しは見直してくれることと思います。

最後になりますが小林先生講師の先生方、スタッフの皆様のご健勝、テソーラスハウスのご発展と、今後受験される皆様のご健闘を祈念しつつ、合格「大変記」を終えたいと思います。
本当にありがとうございました。

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